進化する野獣
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「Sleep Sleep おやすみ 可愛い子よ」
もう、歌と言っていいのか分からないほど掠れた声。
吹雪。
左目が赤く光り輝き、彼女の体が周囲との温度差により浮かび上がっていく。
「これは……!」
ビーストの新ボディがみるみるうちに氷漬けになっていく。
空気中の水分さえも凍り付かせるような温度に、ビーストの体でさえも寒さを感じ始める。
「おい……おいおい、お前、まだ手抜いてたってのか!?」
「……ゴホッ……」
猛吹雪が襲う中、フロストノヴァは咳き込む。やがて少しずつ姿勢を崩していく彼女へ、ビーストは彼女の体から氷が突き出していくことに気付く。
「お前、その能力、むしろその力、お前にも強すぎるものなんじゃ……!?」
「ぐっ……」
ビーストの予想が的中していると言わんばかりに、フロストノヴァの肩が震えた。
見れば、真っ白な彼女の服装に、口元を中心に赤い模様が広がっている。
「だとしたら何だ……? 私の全力を持って、お前を倒す。戦士として……!」
「……チンタラしてられねえな」
ビーストはそう言って、両腕の帯を振るい、吹雪を一瞬切り開く。
だが、吹雪はすぐさま光景を埋め尽くしていく。
さらに、本気のフロストノヴァの吹雪はそれだけではない。
気付けば、ビーストの頭上には無数の黒い刃がビーストに狙いを定めていた。
「さっきまでの氷も当然あるよなそりゃあ!」
黒い氷の刃は雨となり、ビーストへ降り注がれる。
ビーストはミラージュマグナムで応戦、次々に刃を打ち落としていく。
だが、その数が減ることはない。早々に応戦ではなく回避を選び、ビーストは氷上を
瞬時に黒い氷山が乱立していく。ビーストは吹雪の中、フロストノヴァの姿を見定め、発砲。
だがその銃弾すらも、瞬時に氷に作り変えられていく。フロストノヴァのもとに被弾したころには、すでに彼女の足元に転がる小石に成り果てていた。
「止まってられねえ……!」
ビーストは吹雪の中を突っ切りながら、フロストノヴァへトリガーを引き続ける。白い氷に変えられながらも、ビーストはジャンプでフロストノヴァへ接近。
「うりゃっ!」
蹴りでフロストノヴァの腕を払い、接近戦に持ち込む。ビーストの長い帯に対し、フロストノヴァはビーストの目の前で猫だまし。その中に挟まった冷気を瞬発的に開放。ビーストの体に冷気を浴びせ、動きを一瞬封じる。
「ぐあああっ……!」
ビーストの体が氷を吸収していくものの、それまでは当然ビーストにダメージが入る。
膝を折り、倒れ込むビースト。フロストノヴァはさらに、その肩にかけて剣を振り下ろした。
「ぐ……あっ……!」
起き上がろうとするが
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