第三章
[8]前話
「本当に」
「そうよね」
二人で話した、そしてだった。
そうした話をしてだ、茉莉也は清音の結婚式に出席した。その後でまた清音に言った。
「奇麗だったわよ」
「そう言ってくれるのね」
「ええ」
笑顔で言うのだった。
「本当にね」
「そうよね、そういえばあんた今は」
「妊娠してるのよ」
清音に笑顔のまま言った。
「三ヶ月よ」
「そうなのね」
「それでこの子の分ね」
「また太ったの」
「そうなの。けれどこれ以上太らない様に」
「妊婦用の運動してるわね」
「お医者さんに言われてね」
それでというのだ。
「そうしているわ」
「そうよね」
「妊婦になってもね」
それでもというのだ。
「今はね」
「お金もあるわね」
「ええ、働ける様になって」
まずは自分がというのだ。
「それで結婚してね」
「共働きになって」
「お母さんが年金貰える様にもなって。内職も続けてくれていて」
「それでよね」
「今は普通に暮らせているわ」
そうなっているというのだ。
「だからね」
「もう貧乏じゃなくて」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「よくわかったわ、お金の貧乏はすぐによ」
「どうでもなるわね」
「けれど心が貧しいと」
「中々よくならないわね」
「そのことがわかったわ」
「その通りね」
清音は茉莉也の言葉に頷いた、そうしてだった。
彼女の言葉を心に刻み込んだ、そのうえで生きていくのだった。彼女の夫婦生活は茉莉也のそれと同じく豊かなものになったことは言うまでもない。
本当の貧乏とは 完
2025・1・20
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ