第51話 常山の龍と蘭
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あれは正しく恋姫の趙雲です。
「この山賊共、群れを成して罪なき者に害をなそうとは不届き千万!この常山の昇り龍、趙子龍が成敗してくれる! 」
槍を向け凛々しく啖呵を切りました。
趙雲の横に彼女と同じ年端の女の子がいます。
「不肖、この夏侯蘭も助太刀いたす!」
彼女も片に掛けていた大剣を抜き放ちます。
これはチャンスです。
山賊達の視線が彼女達に向いています。
彼女達に当たらない様に振雷・零式の出力を押さえます。
前方の地面を山賊ごと陥没させては私達も逃げれません。
「振雷・零式」
私は双天戟の切っ先を中年の男がいる前方に向け、必殺の一撃を放ちました。
私の攻撃により全面の山賊は胴から上が消し飛んでいます。
「前面を突破するぞ!」
私は大声を上げ麗羽達に檄を飛ばしました。
麗羽達が突破を終えるのを確認して私は囲みを抜けました。
山賊達は突然の異常な光景に呆然と立ち尽くしていました。
「お、御主。な、何をしたのです・・・・・・」
私が趙雲達の元に駆け寄り、前方の山賊に向き直ると趙雲が声をかけてきました。
彼女の表情は混乱しているようです。
対峙していた目前の山賊の上半身がいきなりなくなっているので動揺しているのでしょう。
「話は後だ。まずは生き残っている山賊を殲滅する。生かして逃がせば罪のない者に害をなすだけだ」
私は彼女の質問を遮り、敵中に斬り込みました。
私につづき麗羽達も攻撃にはいります。
動揺が解けていない山賊は私達に狩られるままです。
中には逃げ出そうとする者もいましたがもう遅いです。
「ギャァァ――――――!」
「貴殿が何者かは存じませんが、ここは山賊を討ち取るのが先決。加勢させていただく」
私達が賊を掃討していると趙雲も私の近くで山賊を狩りだしました。
あの夏侯蘭と名乗った女の子も一緒です。
武芸の腕はなかなかだと思います。
趙雲には劣るようですが。
夏侯蘭といえば趙雲の同郷で、三国志にも出ています。
でも、マイナーでしたね。
確か蜀漢で軍正を任されていたと思います。
「加勢ありがたい。礼を言う。私の名は劉ヨウだ」
私が素直に礼を言うと、二人とも私の名前に驚いたが直ぐに山賊との戦闘に戻った。
あれから数刻の後、私達は山賊を全て殲滅しました。
私達は趙雲の案内で彼女の住む村に案内して貰うことになりました。
趙雲と夏侯蘭が道すがら私をチラチラと見ていました。
私が名前を名乗ったときも凄く驚いていました。
まさか、『地獄の獄吏』と呼ばれている私を恐れているのでしょうか?
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