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彼は いつから私の彼氏?
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 修学旅行が帰って来て、しばらくするとお母さんが

「水澄がお世話になったとこの塾長さんがお店に来てね あのね 入試直前の冬季講習で生徒さんを募集するんだってー」

「ふ〜ん いいんじゃぁない 私の後輩なんかも来るんかしらー」

「それでね その説明会を11月にやるんだって その時に水澄ちゃんに 塾の卒業生として 経験談を話してくれないかって」

「はぁー ? ? ? 私 卒業生なの? だって 経験だなんてー 夢中だったからー なんにも覚えてないー 人前で話せるわけ無いやんかー」

「そんなこと言わないでさー あの時 水澄ちゃんを引き受けてくれた義理もあるしー 短期集中で名門に合格して、スポーツでも全国のトップになって、素晴らしい生徒さんなんですよー うちの塾の誇りなんですって 頭下げられてね お母さん 娘に話してみますって言っちゃったのよー 水澄ちゃんのこと褒められて嬉しくってね・・・ そしたら もう 引き受けたみたいになっちゃってー じゃー チラシ作成しますねって帰って行ったの 11月第3日曜日だって」

「お母さん・・・そんなの どうすんのーぉー」

「お願い 水澄ちゃん お母さんの我儘だと思って ネッ お願い」

「もぉぉー お母さん 誰にでも頭下げられると弱いんだからぁーあ」

 クラブでは、1年の杉下ひなたと榮莉子(さかえりこ)をダブルスのペァに仕上げていた。莉子ちゃんは堺から来ていて、小学校の時は、地元の少年少女の卓球クラブでやっていたらしい。だから、仲良しが二色が浜中学校に行ったんだけど、自分は親の勧めもあって太子女学園を選んだと言うことだ。まぁまぁ練習は熱心で、ひなたとも仲が良いので、私もペァを組むことについては賛成していたのだ。

 そして、莉子の指導については主に花梨がしていて

「ひなたと莉子は 11月にある東大阪の市民大会に出なさいネ ウチ等も水澄と出て優勝したんだよ」と、強引に決めつけていた。

「ねぇ 水澄先輩 ウチ等 どうしょう 大会なんてー」

「どうしょうって? 普段の練習って思ってればいいんじゃぁない」ひなたは、普段から私を慕って来てくれて、素直で練習も文句も言わずに私の後を追ってきてくれているのだ。私も上手くなってきていると実感していた。私は妹が居ないので、可愛がっていたのだ。

「そーですよ 花梨先輩なんて 命令口調で・・・拒めないじゃぁ無いですかー ウチは・・・ いつも あの人 怖いんですよー たまに、話したかと思うと 言い方きついしー 怒られているみたい」と、莉子も私に言ってきていたが、だけど、普段の練習を見ていると、花梨の無言の圧力にも負けないで、やっているみたいなのだ。この子も確実に動きが良くなってきていて、鋭いスマッシュを放つようになってきている。
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