五話 チーム、ケルベロス結成(前編)
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が無いとオーブに辿り着くのは困難だし、更にはテロ直後に国外出させてくださいとコーディネーターが言って許可するとこなんてほぼなく。
出来上がるのは、真綿で首を締めるように居場所をなくす罪のないコーディネーターである。
しかも、庇ってくれる筈のコーディネーター融和とか和平とか考えてる人は軒並み墓の下。
だから出るんだよ、こういった時には。
家族を守って貰えるように、カミカゼに志願する奴が。
でまあ、お互い食料庫に火を付けた後に起こるのは、さようならプラントに日和った奴!という地球連合の掃討戦である。
で、このガンタンク、大活躍しました。
対する相手方、つまり大洋州連合や南アメリカ合衆国などは最初プラントから支援名目で譲り受けたモビルスーツでどうにか遅延戦闘し、講和の妥協点を探っていたようだが、そうは問屋がおろさない。
自作していたガンタンク、そして開発していたガンダムの技術に、既に完成しているジンの設計図、OSを混ぜ混ぜして作ったガンダム、通称クォーターガンダムによってゴリ押しして、プラント側地上戦力を完全に駆逐した。
え、いくら喧伝しててもジンの設計図やOSが手元にあるのがおかしい?
失敬な、地上にいる親類縁者はちゃんとこちらで保護してますよとお手紙で送ったら、お礼にデータディスクくれただけだよ?
まあ、欠点として馬鹿みたいにシュミレータを稼働させてた俺と他数人のナチュラルか、コーディネーターしか扱えない代物になっているが、些細な問題である。
この御時世、居場所がない地球側のコーディネーターは、腐るほどいるのだから。
そう、思索に耽っていると、目の前の中尉はいかにガンタンクと自分が戦争で大活躍したかという武勇伝を止め、改めて自分に向き直った。
「ありがとう、口が悪いやつはゲテモノ扱いするが、ナチュラルでも操作しやすい操作系統といい、火力といい、最高の相棒だぜ、こいつは」
腕を組みながら、戦車隊から口説いて引き抜いた壮年の中尉、デメジエール・ソンネン中尉は、乱暴に肩を叩いた。
そう、このガンタンクの最大の強みは、そこにある。
あえて両足を捨てて戦車と同じキャタピラ操作にしたことに加え、両腕部も自由度の高い砲身として運用することで、難度の高い両足の操作と両手のマニピュレータの操作を完全排除。
また、ある程度の操作の自由度を奪う代わりに運転を補助する試作AIを積むことで、ナチュラルでも操作できる環境を整えた。
勿論、戦車を動かせるなどのある程度の運転技術は必須だが、『ナチュラルがコーディネーターの鼻をあかせる』というのは想像以上に大事な事らしく、最近ではそのために海軍、空軍からもガンタンクパイロットに立候補するやつがいるらしい。
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