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世界の礎
第三話 統制その五

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「いいな、しかも濾過もしたな」
「澄んだ酒もですか」
「造ってな」
「売りますか」
「その酒は高く売る」
 他国にというのだ。
「そして貿易でだ」
「利益を得ますね」
「そうしていく、そしてその利でだ」
 貿易で得たそれでというのだ。
「政を行うのだ」
「よりよくしていきますね」
「そうするのだ」
 こう言ってだった。 
 義青は塩を作り売る様にし戸籍を整えもした、そして乳製品や酒も増やし売って利益を得ていってでだった。
 今度はだ、産業大臣に任じたホビットの女マホに言った。
「綿と絹を出す」
「綿と絹ですか」
「どちらもまだこの地域にはないが」
 そうであるがというのだ。
「今度はな」
「その二つを出されますか」
「綿から服や布を作るのだ」 
「そして着るのですね」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「これも売りもする」
「綿の服を」
「栽培の仕方も話す」
 綿のそれもというのだ。
「これからは麻や皮だけでなくな」
「綿の服もですか」
「着る様にするのだ、いいな」
「わかりました、ですが」
 マホは義青の言葉に頷きつつ彼に問うた。
「絹とは一体」
「こちらも服に用いる」
 義青はすぐに答えた。
「絹もな」
「そうなのですか」
「こちらは蚕という虫に桑の木の葉を食わせて育ててな」
 そうしてというのだ。
「蛹になる時の眉を糸にしてだ」
「その絹にしますか」
「絹の質はすこぶるいい」
「では上等の服になりますか」
「そうだ」
 その通りだというのだ。
「だからだ」
「絹もですか」
「作りな」 
 そうしてというのだ。
「流石に裕福な者しか着られないが」
「服にして着るのですね」
「そして売る」
「絹もまた」
「そしてそちらからもな」
 絹を売ることからもというのだ。
「利益を得るのだ、ではいいな」
「綿や絹もですね」
「これからは栽培してな」
 農業の中でというのだ。
「富ますぞ」
「わかりました」
 マホは確かな声で応えた。
「その様にです」
「進めていくぞ」
「それでは」
 こう話してだった。
 義青は今度は国で綿や絹を作らせた、そのうえで民達にそうしたもので作った服を着させて他国に売りもしてだった。
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