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ハッピークローバー
第百五十六話 祭りの中でその三

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「平仮名、片仮名。漢字ってね」
「文章も独特で」
「それでよね」
「難しいってね」 
 その様にというのだ。
「リアルで思ったわ」
「それよく言われるわ」
「他の国から来た子から」
「今もね」
「同じアジアでも」
 そうであってもというのだ。
「日本とカンボジアってかなり違うわ」
「何もかもが」
「そう、今の我が国はのどかな国に戻ったっていいわね」
「ポル=ポト派がいなくなって」
「内戦も終わってね」
 兎角カンボジアの受難は長かった、だが九十年代半ばに和平がなってそれで平和が戻ったのである。
「それで復興から発展してるし」
「のどかさも戻ったのね」
「私が生まれた頃は」
 その頃はというと。
「完全にね」
「のどかな国に戻っていたのね」
「そうなの」
 こう一華に話した。
「有り難いことにね」
「二十一世紀になったら」
「もうね」
 その時にはというのだ。
「そうなっていたわ」
「そうなのね」
「けれど今も言われてるのyよ」
「平和でのどかになっても」
「だって人口の何割も殺されたのよ」
 実に嫌そうに話した。
「それじゃあね」
「忘れられないわね」
「あの時は地獄だったってね」
 ポル=ポトの頃はというのだ。
「皆言うわ」
「生きていた人達は」
「あの頃生きていた人達はもういい歳で」
 そう言っていい年齢でというのだ。
「よくておじさんおばさんで」
「お爺さんお婆さんね」
「そうだけれど」
「地獄だったって言われるのね」
「そうなの、だって眼鏡かけてたらインテリって言われて」
 インテリゲンチャを敵視していた彼等からだ。
「死刑よ」
「つくづく滅茶苦茶ね」
「子供が林檎取ってもね」
「死刑で」
「お医者さんや兵隊さんが子供で」
「しかも原始的な生活で」
「皆野良仕事しかしない」 
 そう強制されてというのだ。
「本当にね」
「地獄ね」
「そうだったから」
 だからだというのだ。
「あの頃みたいにならない様にね」
「言われてるのね」
「そうなの」 
 まさにというのだ。
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