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先生の実家は和菓子屋
第一章

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                先生の実家は和菓子屋
 とある公立高校の数学教師神谷哲夫は生活指導でもある、だが彼の通う高校は大人しい校風で真面目な生徒ばかりであり。
 生活指導はこれと言って仕事がない、それで彼は笑って言った。
「平和が何よりですね」
「そうだよ」
 その彼に教頭の曽我部篤弘が答えた、神谷は波がかった黒髪を短くし真ん中で分けている。太い鉤爪型の眉で切れ長の明るい感じの目で面長で顎の形がいい。背は一七五位で引き締まった体格をしている。曽我部はバーコード頭で眼鏡をかけた一七三位の背の男だ。
「やっぱりね」
「そうですよね」
「本当にね」
 曽我部はさらに言った。
「世の中はね」
「平和であれ」
「学校でもね」
「そうですよね」
「亀田高校なんか酷いよ」
 県内でも有名な所謂最底辺ドキュン高校の話もした。
「本当にね」
「ああ、あそこはそうですね」
「校内で普通に犯罪があるからね」
「ですよね」
「あんなところに行ったら」
 それこそというのだ。
「本当にね」
「災難ですね」
「そう考えたらだよ」
「うちの高校はいいですね」
「平和でね」
 そうであってというのだ。
「しかも真面目で」
「こうした学校が一番ですね」
「偏差値も悪くないし」
「スポーツもそれなりで」
「県内によくある平凡な高校と言うと」
 そう定義すると、というのだ。
「その通りだけれど」
「その平凡がいいですね」
「そうだよ」
「本当にそうですね」
 神谷もまさにと頷いた、そうした話をしながらだった。
 彼は平和な学園生活を送っていた、だが。
 その彼に異変が起こった、その異変はというと。
「大変なことになりまして」
「どうしたんだい?」
「この前の健康診断ですが」 
 曽我部に暗い顔で話した。
「糖尿病になりそうだと」
「血糖値が高かったんだ」
「食事に気を付けろと言われました」
「まだなっていないんだね」
「はい」
 神谷はそれは大丈夫だと話した。
「それは」
「じゃあまだセーフだね」
「ですがショックですよ」
 曽我部に暗い顔のまま話した。
「本当に」
「じゃあ気を付けるんだ」
「そうします」
 こう曽我部に答えた、そしてだった。
 そのうえでだ、節制を開始したが曽我部はすぐに気付いた。
「そういえば君毎食お菓子を食べていたね」
「昼にですね」
「お弁当と一緒にね」
 こう言うのだった。
「そうだったね」
「はい」
 そうだとだ、神谷も答えた。
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