東方
国譲り編
第九話
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悪い所じゃないわ、もう。何でこうなったのか、それは香苗の案が原因だった。本当なら回想に入るとこだけど面倒なので簡潔に言えば……、
「……洩矢諏訪子の代わりに八坂神奈子を成敗してとは(ヒソヒソ)」
「……風祝も無茶をさせる(ヒソヒソ)」
「……あれは人間が神に抱く理想そのものだぞ(ヒソヒソ)」
「……人間を助け、導く存在……それが神そいうもの(ヒソヒソ)」
「……諏訪子様に引き分けたといっても所詮は遊びの領域では?(ヒソヒソ)」
「……ヒソヒソ」
お前らヒソヒソ話してんじゃねえ!全部聞こえってからな!
「おい」
「(ッチ)……何だ?」
「お前が洩矢諏訪子か?」
「いいえ」
「ならば洩矢を出せ」
「いいえ」
「……何?」
「意味が分からないか?出す必要もない、そう言っているのです」
あっ、青筋が浮かんだ。初めて見るわ、あんなくっきり怒りマークが出るのって。ていうかもうヤケっぱち。行ける所まで行ってやるわ!
「貴様……タダで死ねると思うなよ!」
「英雄王かよ、お前は……」
「八意殿!」
「あーお前らは下がってろ。邪魔だから」
諏訪子の部下を下がらせ、右手で魔道書を開く。
「大魔導典籍起動、32ページの魔法参照、詠唱開始」
蒼色に発光する大魔導典籍はひとりでにページを開き、一工程で詠唱を終える……!
「煉獄の終末火焔!」
さっきまで晴天だった空が黒く染まる。それを訝しく思う敵達だがそんな余裕はすぐになくなった。
「何だあれは……!?」
「隕……石……!?」
「さあ慄け東の狗共よ!キャンキャン喚きながら惨めに死に果てろ!」
その声を皮切りに、焔纏う隕石が八坂陣営に振り落ちる。この状況を理解出来る者は誰一人いなかったが、自分の運命を理解させられた者は五体満足の死体にすらなれなかった。
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