暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第238話:包まれる拳
[7/7]
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
てそれを止めようとしているが、まるで何かに遮断されたかのように儀式は操作を受け付けない。
「一体、何が起こってるんだゼッ!?」
「これは……違うわ。依り代となっているこの子に力を宿してるんじゃなく、この子自身を力の方が取り込んで……!?」
未来の身に何が起きているかをヴァネッサが理解した瞬間、逆流してきたエネルギーにより計器が次々に振り切れ火花を上げ始める。まるでこれ以上の邪魔はさせないと言わんばかりの状況に、ヴァネッサはこれ以上この部屋に留まるのは危険と2人と共に部屋から飛び出した。
「いけない、2人共ッ! 今すぐここから出るわよッ!」
「言われなくてもッ!」
「ガンスッ!」
大慌てで部屋から飛び出した3人。その直後、未来の姿は完全に消え、同時に儀式の部屋は跡形もなく吹き飛んだ。
「未来ぅぅぅぅぅッ!!」
その頃、響は握り締めた拳を胎児の頭部の部分に直撃させ、神殺しの力を持ってシェム・ハの力を打ち破りその内部へと入り込んだ。
そして、彼女はそこで黒衣に身を包んだ未来の姿を見た。
「――――え?」
シャトーの中で儀式に使われている筈の未来がここに居る事に、響は理解が追い付かず呆けた声を上げてしまった。
「何で、そこに……」
響が呆然と呟くと、それに反応したように未来が目を開いた。その瞳は、明らかに何時もの未来のそれではない。
そして彼女が目を開くとそれに呼応するように胸元の結晶の様な蕾も開き、紫を帯びた白い光が彼女の体を包むと次の瞬間そこには王冠の様な物を頭に着けた白銀と紫のローブに身を纏った未来の姿があった。何処か神獣鏡のシンフォギアを連想させる姿をした未来に、響は思わず拳を突き出した姿勢のまま近付いてしまう。
「未来……!」
響が拳を開いて未来に手を差し出そうとする。しかし、その拳が完全に開かれるよりも前に、未来の手が彼女の拳を受け止めてしまった。
そして、信じられない程冷たい視線を響に向けながら未来が口を開いた。
「遺憾である。我が名はシェム・ハ……人が仰ぎ見るこの星の神が、我と覚えよ」
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ