2話
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なんだよね、この状況すごくない?)
サーシャに膝枕されていると言う状況を堪能しながらお互い沈黙を続けること数分。
「もう体を動かしても大丈夫よ?」
サーシャがほんの少し照れているような気がする。その様子を眺めて名残惜しいけどそう言われたならしょうがないと起き上がった。
「えっ、なにっ」
「ほんとに動けるようになってるよ…」
(この回復は…!?)
内心驚きつつ身体を軽く動かしてみながら異世界に迷い込んでからのことを振り返る。突然砂漠に迷い込み、当てもなく彷徨い、地下遺跡のような場所に落ちそこのトラップで死にかけ、それでも進んで─そしてサーシャと出会った。
(…そこで俺は助かりたいと、死にたくないと願ってサーシャと何か約束を…)
ようやく浮かれていた思考から離れサーシャを見る。そうするとサーシャは口
小さな口を開き契約についての話をする。
「ええ、そう」
「私はあなたの命を助けたわ」
「だから今度は私のために戦って貰う…それが私たちの契約」
真剣な表情になっている少女を見て
「わかった、俺に出来ることならなんでもする」
迷うことなく即答した。
「え…」
それを聞いて何故かサーシャが驚いている。どうしてだろうか?よくわからないがそのまま話を続けよう。
「俺は行く宛がなかったし、ちょうど良かった」
もしかしたらこれが俺がここに迷い込んだ意味なのかもしれないし、何よりこの少女と出会えたことを無価値なことにしたくはなかった。
「それに…どう足掻いても死ぬしかない道から俺を助けてくれた相手の頼みだ。だからむしろ手伝わせてくれ」
そう自分もあれだけ傷ついていた少女(どうやら今は治っているようだけど)に自分の命を助けられ、何もせずに逃げるなんて恩知らずな真似はできない。口には出さないけど女の子が真剣に泣きそうに頼み込んできたのを見てちゃんとした笑顔を見てみたいと思う気持ちがあったという気恥ずかしい理由もある。
それを聞いたサーシャは納得出来たのかさっきよりかは落ち着いた表情になり、
「…そっか、ありがとう」
「色々と聞きたいこともあるだろうけれど…そろそろこの場所は崩れてしまうわ」
「だから…その前にあなたの名前を教えてくれる?」
なんと名乗るか少し考える。そしてサーシャは俺にサーシャと名乗ったことを思い出して名前だけを言うことにした。……名前で呼んでくれたら嬉しいからってだけではない。
「……俺はカズキ。今後ともよろしく!」
そう言って手を差し出した。サーシャは差し伸べられた手を見て躊躇いながら手を伸ばす。何かを望むようなその手を俺は取った。
「ええ、どうか旅の終わるその時までどうか一緒に…」
それか
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