第二章
[8]前話
嫌なものを語る顔になった、その顔で栗田に話した。
「門田工業ですが」
「あそこは学歴主義でね」
栗田も嫌そうに県内のつある企業の話に応えた。
「いい大学出じゃないとね」
「採用しないですね」
「けれどね」
「酷い人多いですね」
「それで仕事出来ない人ばかりで」
そうでもあってというのだ。
「それでだよ」
「業績も落ちています」
「そう、本当にね」
まさにというのだ。
「仕事はね」
「学歴じゃないですね」
「その人次第だよ」
「才能と努力ですね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「小谷君にはこれからも頑張ってもらおう」
「私達の会社で」
「課長、出来ました」
その小谷の明るい声が聞こえたきた、見ればだった。
彼は分厚い書類を持って来た、栗田はその書類を確認して笑顔で言った。
「問題なし、それどころか予想よりずっといいよ」
「そうですか」
「うん、有り難う」
いい仕事をしてくれてとだ、小谷に笑顔で言った。小谷はその笑顔を受けると彼も笑顔になった。そうしてだった。
彼の仕事に戻った、それで言うのだった。
「これからもね」
「頑張って欲しいですね、なら私も」
栞奈はそんな小谷を見て目を燃えさせた。
「やります」
「頑張るんだ、そうすればだよ」
「小谷さんみたいになれますね」
「そうなるよ」
「それなら」
栞奈は意を決した、そしてだった。
彼女も努力した、その結果小谷と並ぶ社のエースとなった。そして学歴偏重の門田工業が倒産したと聞いた。その時にはもう学歴はどうでもよくなっていた。
学歴がなくても凄い 完
2025・1・18
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