第二章
[8]前話
「夫婦でな」
「仲よくね」
「ああ、それでお前に声をかける奴はな」
「いや、私の方でスルーするから」
妹は少し苦笑いになって答えた。
「だからね」
「それはか」
「ちょっとね」
どうにもという口調だった。
「しないでね」
「いや、それはな」
妹に真顔で答えた。
「やっぱりな」
「せずにはいられないのね」
「大事な妹だからな」
それ故にというのだ。
「俺もな」
「周りに言うのね」
「社員にな」
「他の会社の人達にも」
「お前が結婚していてな」
そうしてというのだ。
「その相手がだ」
「売れっ子の俳優さんだから」
「尚更な」
「言うのね」
「そうだ、これから今以上にな」
「幸せになるわね」
「そうなるんだ、二人でね」
妹に笑顔で告げた、そして帰ろうとしたがここで彼女に足止めされた。
「晩ご飯まだでしょ」
「食べていいのか」
「ええ、ハンバーグだけれど」
「お前好きだからな、ハンバーグ」
「ええ、サラダもあるし」
兄に微笑んで話した。
「どうかしら」
「いいな、それじゃあな」
「一緒に食べましょう」
「宜しくな」
「武士さんがいたら」
夫のことも話した。
「そうだったらね」
「いつも一緒に食べているな」
「そうだけれど」
「今はいないからな」
「兄さんと二人でね」
「わかった、しかしな」
兄はここで少し苦笑いになって言った。
「武士君に嫉妬されそうだな」
「私と一緒に晩ご飯食べるから?」
「そうするからな」
「実の兄妹でしょ」
「だったらいいか」
「ええ、大丈夫よ」
こう兄に言って一緒に晩ご飯を食べた、それから兄は自分の家に帰って次の日からまた会社で働いた、だが。
優香の夫が帰って来ると優香は利平と一緒に晩ご飯を食べたと言われて少し妬いた。すると彼女はその夫にいつも以上に優しくしてそれで収まった。利平はそんな二人を見てこれからも見守っていこうと思ったのだった。
社長の妹の秘密 完
2025・1・18
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