第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第1話 え? 俺が使い魔ですか?
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突然の浮遊感の後、そのまま大地に転ばされた。
咄嗟の判断で、周りに目撃者が居た場合にでも怪しまれない程度に生来の能力を発動させ、同時に受け身を取る事に因り身体に対する被害を最小限に抑える事に成功する俺。
しかし、乗っていた自転車が、後輪をむなしく空回りさせながら俺の横にひっくり返って居た。
……って、何じゃこりゃあ!
などと冗談を言っている余裕は……有りますか、多分なのですが。
何故ならば、あの時に空中に顕われたあの妙な物体は、おそらく俺が使っている能力と同じ召喚円のような物だと思いますから。
横を走っていた自動車の騒音や、海から山に向けて吹き込んで来ていた少し強い風を感じる事が無く成り、代わりに妙にざわざわとした、……人が発する少し鬱陶しい雰囲気と若草の発する緑の香り。そして、頬には柔らかい風を感じている。
これは……おそらくは何らかの魔法に因り、強制的に場所を移動させられたと言う事なのでしょう。
但し、陽光だけは変わらず、柔らかい春の陽光の様なのだが。
もっとも、俺を召喚するモノ好きが居ると言うのも驚きなら、俺の真名を知っている召喚士が存在して居る事自体が、かなり不思議な事なのですが。
そもそも、俺は、そんなに有名人ではないですからね。神話的にも。この世界的にも。
……って言うか、所詮は高校二年生なのですから、当然、無名なのですが。
ただ、そんな細かい事は後回しで良いですか。それに、魔法に因り、強制移動をさせられたのならば、最初に辺りの確認を行うべきですか。
そのような長くはない思考の結果、至極真っ当な結論に達した俺。そして、上半身だけを起こし周囲を一当たり見回して見る。
空は蒼。日本の少し霞みが掛かったような空ではなくて、ちゃんとした青空。蒼い空と白い雲を背景にして、長閑にトンビが飛んでいる様子が見て取れます。視線を下げて大地に目を転ずると、其処には短い草が生えているコンクリートやアスファルトで守られていない、自然の大地と言うべき状態。気温や頬に触れる風の感触。若草の成長度合いから想像するに、矢張り春の草原と言う感じですか。
そして、少し離れたトコロには、ヨーロッパを思わせるようなヤケに尖がった形の塔を持ったお城が見えていますね。
遠景を見渡してみてから感じるのは、どう考えても日本ではない……と言う事が判るぐらいですか。
そして、俺の正面には。何やら、アニメの中から飛び出して来たのか、それともビジュアル系のバンドの追っ駆けでもしているのか、蒼い髪の毛を持つ眼鏡を掛けた少女と、その向こう側には光頭人種に当たる西洋の僧服みたいな服装をした男性が一人居ます。
それに、そのふたりを取り巻くように、その他大勢の皆さん。コチラはギャラリーと言う感じかな
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