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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第1話  え? 俺が使い魔ですか?
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すからね。

 俺の依頼に、無言で首肯くウィンディーネ。
 そしてその後、彼女が俺の、見た目だけ派手に擦りむいた傷痕に片手をかざす。
 刹那、どんどんと傷痕が縮小して行き、やがて、元通りの綺麗な肌となって、派手に血を流していた痕跡さえ消して仕舞う。

 その瞬間、微かな違和感。

 これは……。アガレスが交渉している蒼い髪の毛のメガネ美少女から、今、微妙な気が発せられたような気がしたのですけど。
 もっとも、そんな細かい事は、今はあまり関係ないですか。それに、衆人環視の中の現状では、個人から発生する微妙な気はかなり掴み辛い物なのです。その微妙な内容が何を意味するのかまでは、流石に判らなくても仕方がないですか。

「シノブくん。悪い情報だ」

 再び交渉を終えたアガレスが、俺の方を向いてそう話し掛けて来る。
 但し、悪い情報だと言う割には、何か妙に嬉しそうな雰囲気が漂って来ているのですけど……。

 コイツ、どう考えても、俺の置かれている状況を面白がっていますね。

「元の世界に帰る術はない。彼女、タバサ嬢が言うには、そう言う事らしい」

 …………はい?
 送還の魔法がない?
 それって、俺は、この場所に終生遠島の刑に処されたって事ですか?

「いや、それは流石に問題が有るでしょう。そもそも、こんな言葉の通じない訳の分からない場所で、俺のような幼気(イタイケ)な少年がどうやって生活して行けると言うのですか?」

 流石に、少し慌てた雰囲気でそう問い返す俺。
 但し、幼気な、と言う部分には少し問題が有るような気もするのですが……。
 もっとも、あまり細かい事を気にしたら負けですか。まして、その内に何とかなるとも思いますし。

 そもそも、一度繋がった以上、再び、向こうの世界に次元孔が繋がる可能性はゼロでは有りません。
 まして、俺自身が奇門遁甲陣を極めたら、帰還用の術式を構成する事も不可能ではないはずです。

 確かに、現状の俺にはまだ無理ですし、向こうの世界に強く因果の糸を結んだ存在が居る訳ではないですから、確実に帰還用の次元孔を開ける訳ではないのですが、簡単に諦めるよりはマシでしょう。
 希望は常に持って置くべきですからね。

「あぁ、その点に関しては問題ない。シノブくんのここでの生活に関しては、全てこのタバサ嬢が面倒を見てくれるそうだ。
 良かったな、シノブくん。ヒモは永遠の漢の浪漫だぞ」

 益々、面白そうにアガレスが続ける。
 ……確かに、ヒモと言うのは、永遠の漢の浪漫なのですが、その為だけに彼女の使い魔になると言うのも、問題有りでしょうが。……と言うか、使い魔に成っている段階で既にヒモじゃねえし。
 ましてその使い魔に成る方法に因っては、帰還用の術の構成に影響を与え
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