第二章
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「白エナメルの」
「あの如何にもという靴も」
「全部な」
「高いものなんですね」
「だから汚さない様にな」
「気を付けてるんですね」
「そうだよ、あの人達なりにな」
その稼業の者達なりにというのだ。
「服には気を使っててな」
「大事にしてるんですね」
「そうだよ、だからな」
「汚さない様にしているんですね」
「そうだよ、そしてな」
そのうえでというのだ。
「下手にカタギに言いがかりつけたら恰好悪いからな」
「僕達には穏やかなんですね」
「ああした人達なりに気を使うところがあるんだ」
「やりたい放題じゃないんですね」
「ああした世界でもな」
ヤクザ者の世界でもというのだ。
「そうなんだよ」
「そういうことですね」
「ああ、だから他のお客さんと同じ様にな」
「接すればいいですね」
「悪さしなくてちゃんと金払ってくれたらな」
それならというのだ。
「もうな」
「それでいいんですね」
「お客さんだ、だから怖がるなよ」
「ぶつかったりしなかったらいいですね」
「今時ぶつかって言いがかりつけるヤクザ屋さんもいないぞ、実はな」
ここで小早川はこうも言った。
「暴力団新法で苦しいんだ」
「ヤクザ屋さんも」
「あの人達も今は表の仕事ばかりだ」
「普通の会社ですか」
「建設業だ、元々そっちの人達だったしな」
建設業界のというのだ。
「外見はああでもな」
「それはそのままでも」
「今は実は表だ、儲かってる企業でもな」
それでもというのだ。
「ヤクザ屋さんは今はな」
「実は表ですか」
「そうだ、むしろ半グレの方がやばい」
彼等の方がというのだ。
「ヤクザ屋さんってのはまだ守るものがあるけれどな」
「あの人達なりのモラルが」
「半グレは違うからな」
「本当にやりたい放題ですね」
「そうした連中こそ注意しろよ」
「本当に何してきて何されるかわからないですね」
「客出来てもな」
それでもというのだ。
「何かしたらすぐに通報しろよ」
「わかりました」
小田もそれならと頷いた。
「そうしていきます」
「裏稼業でも色々なんだ」
こう小早川に話した、そしてだった。
小田は彼の言葉に頷き働いていった、ヤクザ屋さん達には然程警戒しなくなった。だがそれでも半グレには違いそうして仕事をしていき難を受けることはなく無事に大学を卒業しそのまま店の店員になってそれからも難はなかった。
一応お金をかけたお洒落 完
2025・1・16
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