第百五十五話 他人の幸せその七
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「ああなったらしいし」
「今は行方不明ね」
「何でも何処かで生活保護で暮らしているそうだけれど」
「本当に困っている人の為のものなのに」
「そうして暮らしていて」
それでというのだ。
「ずっと感謝もしないで」
「誰かが助けても」
「文句ばかりでね」
「働かないでね」
「誰かの為に何もしないで」
そうした人生でというのだ。
「やたら本に批評するけれど」
「偉そうに言ってたのね」
「子供の頃から努力しなくて」
そうであってというのだ。
「学校の成績もね」
「悪かったのね」
「そうだったみたいよ」
「本当に何もない人だったのね」
「そうなったのはね」
留奈は話した。
「努力しなかったから」
「それでよね」
「何の努力もしなかったから」
生きていてというのだ。
「それでね」
「どうしようもない人になったのね」
「そうみたいよ」
「うちの学園で有名な駄目人間だけれど」
「昔の言葉で言うとダメンズね」
「そんな漫画あったわね」
「そんな感じでね」
文字通りにというのだ。
「それでね」
「あの人は」
「完全にね」
そう言っていいまでにというのだ。
「絵に描いた様な」
「ダメンズだったのね」
「お話聞くと」
それならというのだ。
「そうよ、働かないで奥さんに食べさせてもらっていて」
「偉そうにふんぞり返って」
「相談にも乗らないでね」
そうであってというのだ。
「何もしないで」
「そんな風で」
「文句ばかり言って」
「ご飯作ってもらっても」
「それで酷過ぎて愛想尽かされて」
遂にそうなってというのだ。
「出て行かれても」
「これまでのこと感謝しないで」
「爪切りまで持って行ったよ」
「それ聞いて私思ったのは」
一華は顔を曇らせて話した。
「爪切りまでお世話になってたのね」
「奥さんにね」
「自分で買わないケチで」
そしてというのだ。
「それまでお世話になる甲斐性なしで」
「凄いわね、考えたら」
「それで何も感謝しない恩知らず」
「そうよね」
「わざわざ言う怨みがましさと」
それと、というのだ。
「爪切りみたいなことを言う器の小ささ」
「それを人に言う無神経さね」
「ダメンズが駄目な人って意味なら」
「まさにそれよね」
「それで自分はこの世で一番偉いって思ってたのよね」
「そうそう、ダメンズってプライドは高いのよ」
留奈はまさにと話した。
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