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世界の礎
第二話その九

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「こうした約束はな」
「守ることですね」
「そして騙しても裏切らない」
「そうするのですか」
「そうする、裏切る必要があるなら」
 相手をというのだ。
「こちらからはせずにな」
「相手から裏切らせる」
「そうすることがだ」
 まさにというのだ。
「いい」
「相手にですか」
「そうすれば相手の信頼は落ちるが」
 そうなるがというのだ。
「こちらは裏切られた者としてな」
「同情を集めますね」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「裏切るよりはな」
「裏切られることですね」
「そうなる様にする、決して自分からだ」
「裏切らないことですね」
「外交はな、だからだ」
 そうであるからだというのだ。義青はサラに対して自分が考える外交の在り方をさらに話していくのだった。
「今回はだ」
「あの国が身代金を支払えば」
「捕虜を返す」
 そうするというのだ。
「絶対にな」
「そうされますね」
「そうする、いいな」
「わかりました」
 サラはそれならと答えた、そして外交を進めるとだった。
 正式に捕虜を返すことになった、義青は実際に彼等を全て返させたが。
 サラはここでだ、義青に言った。
「捕虜の待遇はよかったですね」
「使役はしてもな」
「衣食住を保障しました」
「米やジャガイモも与えたな」
 自国の作物もというのだ。
「そうしたな」
「そうでした」
「これも外交だ」
「そうなのですか」
「捕虜は自国に帰ると我々のことを言うな」
「どういった待遇かどういった国か」
「良心的で豊かな対応ならな」
 そうであるならというのだ。
「我々についてだ」
「いいことを言いますね」
「だからな」 
 それでというのだ。
「あの様にだ」
「待遇をよくしたのですね」
「そうだった、そしてだ」
 義青はさらに言った。
「ここで我が国の国力をさらにな」
「そしてそれもだ」
「捕虜達に見せましたね」
「食事の豊かさにな」
「街の立派さを」
「使役させた中でな」
「使役も過酷ではなかったですね」
「それもだ」
 このこともというのだ。
「彼等が自国に帰った時に宣伝するからな」
「我が国ではどうだったかと」
「そちらの待遇もよくてだ」
「豊かな国となれば」
「しかも勢力の大きいな」
「戦うよりもですね」
「しかも降っても立場が変わらない」
 このことも言った。
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