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世界の礎
第二話その八

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「身代金を支払いな」
「敵国が」
「捕虜を返した後でだ」
 義青はそれからのことも話した。
「降る様に言うのだ」
「また私が使者に赴き」
「そうだ」
 その時はというのだ。
「そうするのだ」
「そうされて降れば」
「迎え入れる」
 サラに微笑んで告げた。
「そして他の街や村と同じ様にだ」
「治めるのですね」
「そうする」
「寛容ですね」
「寛容であるべきところは寛容でいることだ」
 義青はサラに告げた。
「こうした政はな」
「寛容であることですね」
「信仰もだ、その国の信仰はな」
「そのままですか」
「一切禁じない」
 そうするというのだ。
「そして有能な者はな」
「用いるのですね」
「そうする、ではだ」
「敵国にですね」
「あらためて行ってくれ」
 サラに告げた。
「そしてだ」
「正式にですね」
「身代金を支払うかどうかをな」
 このことをというのだ。
「聞くのだ」
「そして払えばですね」
「よしだ」
 確かな声で言い切った。
「それでな」
「本当に返しますね」
「そうする」
「そうですか」
「約束は守る」
「お金を受け取って返さず捕虜を使役し続ければ」
「利にはなるな」
「そうなるともです」
 サラは述べた。
「考えられますが」
「ではそなたはそうしたことを行う者を信じられるか」
 義青はサラに問うた。
「そうした者を」
「いえ」
 即座にだ、サラは答えた。
「全くです」
「信用出来ないな」
「はい」
 こう答えるのだった。
「そうした国は」
「そして人はだな」
「信用出来ません」
「そして距離を置くな」
「そうします」
「そうだ、そしてそんな国と商いもしないしまともな外交もだ」
「行わないですね」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「やがては行き詰まる」
「約束を守らないのなら」
「だからだ」
「約束は守りますか」
「そうする、外交では時として相手を騙すこともあるが」
 それでもというのだ。
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