第一話 恐怖の居合ホームランその三
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「あの人はもう阪神には来ない」
「金ではか」
「あの人がお金で動くと思うか」
面堂はあたるに冷静な顔で問うた。
「僕やトンちゃんの話もそうだがそうでなくともな」
「ううむ、そうした人ではないな」
あたるも否定しなかった、腕を組み難しい顔になってそのうえで一人で呟く様に面堂の横で言ったのだった。
「あの人は」
「そもそもだ」
メガネが眼鏡に手をかけて言ってきた。
「あの人は収入が違う」
「滅茶苦茶な年棒だよな」
「ああ、本当にな」
カクガリはチビの言葉に頷いた。
「あの人は」
「お金には困ってないだろ」
「CMの収入もあるな」
コースケはこちらの話をした。
「スポーツ選手の中で世界一の収入がないか?」
「そんなお金持ち想像出来ねえぞ」
竜之介にとってはそうだった。
「流石としか言い様がねえな」
「そうよね、けれどね」
しのぶはあたるを見て言った。
「若し大谷さんが阪神に来てくれたら」
「ああ、凄い戦力になってくれるな」
竜之介はしのぶに真顔で答えた。
「そうしてくれたらな」
「そうよね」
「もう他のチームなんてめじゃねえぜ」
竜之介は右手を拳にして言った。
「本当にな」
「日本一間違いなしよ」
「ああ、阪神の日本一が見られるなら」
竜之介はオーラを燃え上がらせて言った。
「俺は死んでもいいぜ」
「何っ、阪神日本一だと」
温泉マークがにゅっと出て来て言って来た。
「また見られるのか」
「大谷選手が来てくれたらな」
あたるは温泉マークにも答えた。
「そうなる」
「待て、大谷選手だと」
温泉マークはその名前を聞いて言った。
「流石に無理だろ」
「無理だが来て欲しいと思わんか」
「思う」
温泉マークもそれはと答えた。
「俺も阪神ファンだからな」
「そうだな、だからそうなる為にだ」
あたるはそれ故にと答えた。
「今考えているのだ」
「それで知恵は出たのか」
「出たらこんなに苦労しているか」
これがあたるの返答だった。
「そもそもな」
「言われてみればそうだな」
「ふう」
こたつ猫も出て来て遠い目になって述べた、あたるはこたつ猫にも問うた。
「お前も知恵はないか」
「・・・・・・・・・・」
首をぶんぶんと振って答えた、あたるはそれをみてわかった。
「そうか、ないか」
「大谷選手はお金では動かんぞ」
さくらも腕を組んで出て来た。
「どう見てもな」
「じゃあどうすればいいっちゃ?」
「私にもわからん」
さくらはラムに答えた、ラムは今はセーラー服姿である。
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