第二百十四話
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第二百十四話 攻略本の面白さ
博士はウルティマの攻略本をプレイしつつ読んでいる小田切君に話した、ゲームは本のお陰でさくさくと進んでいる。
「攻略本はそのゲームを知ることが出来る」
「その全部をですね」
「宣伝に書いておる通りにな」
その本のというのだ。
「そうであってな」
「それで、ですか」
「ゲームの画面もよく出ていてな」
「ゲームがそこからもわかるので」
「面白いのじゃ」
そうだというのだ。
「これがな」
「そうなんですね」
「だからな」
それでというのだ。
「若しそのゲームを持っていなくてもな」
「面白いんですね」
「そうなのじゃよ」
「そうでしたら」
小田切君はその話を聞いて言った。
「攻略本売れましたね」
「当時の書籍文化の一端を担っておった」
「そこまでだったんですね」
「そうだったのじゃ」
「ですね、実際にです」
小田切君はウルティマの攻略本を今も読みつつ言った。
「僕も面白いと思います」
「攻略本はな」
「はい」
実際にとだ、小田切君は答えた。
「若しプレイしていなくても」
「そうであるな」
「だからな」
「売れて」
「そしてじゃ」
「当時の日本の書籍文化の一端を担って」
「よく売れた」
そうだったというのだ。
「これがな」
「出してる出版社も多かったですか」
「結構あったぞ」
「攻略本も面白くないと売れないですね」
「面白くない本は売れん」
博士はまさにと答えた。
「それこそな」
「やっぱりそうですね」
「だからじゃ」
それでというのだ。
「まだ面白い本があるからな」
「プレイしなくても読んでいいですね」
「そうしてもよいぞ」
見れば博士自身読んでいた、ドラゴンクエストの本を実に上機嫌な感じの顔で読んでいるのであった。
第二百十四話 完
2024・10・27
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