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てたわー 横書きの時は右手なのに・・・器用っていうかー そーいう子なの!」
お父さんが、早い目に帰って来て、私を見るなり、抱きしめようとしてきたので
「ストップ ハグはダメ」と、私が拒否すると
「なんだよー 父親の特権だろー」
「うぅー 少しだけね」と、我慢することにしたけど
「お父さん なんか 臭いぃー」
「そうかー デオロラントスプレーしたんだけどなー」
「だからよー 私 そんな 不自然な匂い 合わないの 臭くても普段お父さんの匂いが好き」
「そうかー すまなかった 待ってくれ 先に風呂 入って来る」
私のお祝いが始まって、食卓には5人前の寿司桶にべっこに、つぶ貝とえんがわの握りも乗っていた。私の好物なのだ。そして、お母さんの作った浅利のお吸い物も。
「まずは 乾杯だ 水澄 お疲れさん 優勝おめでとう」
お父さんとお母さんはビールでお兄ちゃんはコーラ、私はお茶だった。
「いやー 本当にすごかったよー 個人戦の準決勝 去年のチャンピオンに勝ったんだからなー 壮絶な試合だった 闘っているのが水澄なんだものなー 水澄が勝って 夢かと思ったよー それに 最後の試合 これもすごかったなー どっちも譲らずでなー みんながどっちも応援してたよー でも 最後な コロコロと・・・ みんなが その瞬間 それまで応援していた声を失っていた。そして 大声援だろう 僕もジーンときてしまった。あれほどの名勝負なんて そうそう見られないよー」
「う〜ん あと 一歩だったんだけど しょーがないよね 相手は天才 花梨なんだからー」
「いやいや 水澄も天才だぞー よく わからんがー 準決勝の時の最後・・・スマッシュのボールが 不自然に変化してたよーな 相手も首を傾げていたじゃーないか」
「うん たまたまねー でも 花梨には すぐに破られた」
「あぁー 優勝した子か? あの子はクールなんだな 表彰式の時も笑わなかった」
「そうそう 去年の秋 水澄がダブルス組んで優勝した時の 相棒なんだ あいつ すげーよなー 淡々としてて 団体戦の時も 先陣切って あの去年のチャンピオンって奴を切りくずしたんだろう 相手は3年なのに かっけ良いよなー ああいうのって 俺の好みかも」
「ちょっとぉー お兄ちゃん! 花梨は智子より男には固いかもよー あのさー お寿司って この頃 こーやって 寝かせる盛り付けなんかなー」と、私は横になっている鯛の握りをお箸で挟んでいた。何個かが横に寝ているのだ。
「あっ あー 新鮮だから動いたんかなー」
「ウソよ 達樹が乱暴に扱ったのよー」と、お母さんは割と冷たい感じで言っていたけど、その後の微笑むような顔が優しかったのだ。
「そうそう オーナーがね
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