密林の刺客
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「まさかアマゾンが一緒に来てくれるなんて思わなかったよ」
旧ソ連製の古い航空機の中で一人の少年が隣の青年に言った。歳は十四五といったところか。黒髪でやや小柄な少年であり白いカッターと青のジーンズを着ている。
「本当、ブラジルからわざわざ来てくれるなんて」
その少年の横に座る長身の女性が同調した。淡い青の半袖のシャツに青のスラックスを穿いている。黒く長い髪を持つ美しい女性である。
「まさひこもりつ子さんもアマゾンの友達。アマゾン友達大切にする」
まさひこと呼ばれた少年の隣に座っていた耳が完全に隠れ肩にまでかかりそうな長髪の白スーツ姿の青年が答えた。細面で非常に引き締まった顔をしている。細い眉と一重の瞳は野性味と共に暖かさと優しさをも含んでいる。ジャガーやチーターといった大型のネコ科を思わせる精悍な身体つきをしている。彼の名は山本大介、通称アマゾン、仮面ライダーアマゾンその人である。
日本人の両親も元に生まれた。だが彼がまだ赤ん坊の時に彼の乗る旅客機がアマゾンの
奥地に墜落し彼だけが一命を取り留めたのである。
その場に住んでいた部族に拾われた彼はジャングルの野生生物達に囲まれ生きることに
なる。そこで彼は常人のそれを遥かに超越した驚異的な五感と運動能力を身に着けた。
そして彼は自身を拾ってくれた部族に住んでいた。その部族であるが古代インカ帝国の秘術を受け継ぐ者達であったのだ。部族の指導者長老バゴーはその秘術を全て知る唯一の者だった。
これに目を付けたのが今まで多くの組織を陰から操ってきたあの者であった。彼はバゴーの弟子である勇猛だが残虐で粗暴な戦士ゴルゴスを唆し反乱を起こさせた。彼を通じてその技術を全て手に入れんとしたのだ。ゴルゴスは自らの身体を改造し九人の悪人の首を埋め込んだ人面岩と合体し『十面鬼ゴルゴス』と名乗り自らを首領とする『ゲドン』という組織を結成した。
その目的は世界征服、その為にインカの技術を全て手中にせんとした。
ゴルゴスの襲撃を受けた部族は一瞬にして壊滅した。密林の奥地で人目を避け平和に暮らしていた彼等は野獣達から身を護る為の最低限の武器しか持っておらず次々ゲドンの凶悪な獣人達に食い殺されていった。
インカの技術の中でも最も重要なもの、それは『超エネルギー』と呼ばれるものであった。その秘密を狙うゴルゴスは秘密の鍵となっている『ガガの腕輪』を手に入れた。だが秘密は解き明かされなかった。解き明かすにはガガの腕輪と対になるもう一つの腕輪『ギギの腕輪』が必要だったのだ。
ギギの腕輪をも狙うゴルゴス、しかし腕輪は彼の手には渡らなかった。インカの技術と超エネルギーがゴルゴスの手に渡る事を恐れたバゴーはアマゾンに改造手術を施したのだ。その力はギギの腕輪を源としていた。彼にギギの腕輪を、インカの技術を、そし
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