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Fate/WizarDragonknight
”Lullabye ”
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 氷が、大きな講堂を破壊。
 壁を破り、ビーストは大学のキャンパスに転がり出る。
 すぐ後ろから、フロストノヴァが歩み出る。彼女の目は、すでに冷たい色で満たされており、本気の殺気が伺えた。
 初夏の大学キャンパス。夕焼けの時間帯ながら、突如の氷。学生たちや職員たちは以上を察知し、次々に大学から逃げ出していく。
 彼らを横目で見送りながら、ビーストは軽口を叩く。

「今までのお前は、手加減モードだったってか?」
「……」

 フロストノヴァは反応しない。
 右手でスナップをしたビーストは、そのまま指輪を入れかえる。

『バッファ ゴー』

 赤い魔法陣が生成されると同時に、ビーストの周囲から氷の柱が生成、ビーストを狙ってくる。
 ビーストは貫かれるよりも先に、フロストノヴァへ突撃を選択。ビーストがいた場所を無数の氷柱が貫く。
 猛牛の魔力を込めた突撃は、そのままフロストノヴァの体を粉々に(・・・)砕く。

「なっ!?」

 それは、フロストノヴァではない。ビーストが砕いたのは、氷に移った彼女の鏡像だった。
 すぐ背後には、ゆっくりとフロストノヴァが歩いてくる。
 ビーストは身構え、彼女の次を待つ。
 そして。

___Sleep Sleep おやすみ 可愛い子よ___

 その第一節が唱えられた時点で、彼女の雰囲気が変わった。
 唄とともに戦闘能力を上げるサーヴァントがいるビーストにとって、戦闘中の歌は馬鹿にできない。
 響と同じく、歌で戦う能力もあるのか。
 それを正しいと証明するように、フロストノヴァの氷が変化していく。

___Close Close 幸せな 寝顔みせて___

 フロストノヴァが歌を続けていると、彼女の足元に、黒い氷が張り巡らされていく。黒い氷は、そのまま巨大な塔となり、天高くそびえていく。背後の大学の講堂すらも飲み込み、氷の塔が生成。
 さらに、塔を中心に、無数の黒い氷が作り上げられていく。宙に浮かぶ氷たちは、術者が指を伸ばすと、隕石のように次々に迫ってくる。

___さぁ 夢の中で 怖い目見たら 大きくなれるかな 見守ってるわ___
「っぶねえ……!」

 氷の弾丸は、その一つ一つが大きな威力を誇る。
 抉られたアスファルトを見るに、ビーストの体でも命中すれば負傷するだろう。その上、穿った地点に、黒い氷が広がっていく。
 さらに、次々に散らばっていく黒い氷。命中した大学の建物は、瞬時にその構造全体を氷そのものに変え、崩壊していった。

___月は道標 囁くの___
「こ、こりゃ当たりたくねえな……」

 ビーストはそう言いながら、ダイスサーベルを回転させる。

___運命を記した おとぎ話を___
『5 バッファ セイバーストライク
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