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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第237話:時既に遅し
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キャロルが不愉快そうに鼻を鳴らせば、ワイズマンは彼女を煽る様に鼻で笑う。
「それはそうだろう。折角の楽しいパーティー、こんな所で止められては興ざめだからな」
「ガリィが可愛く見えるくらいの性格の悪さだ。おいお前らッ!」
口では軽々しく悪態をつくが、実際問題キャロルはこの得体の知れない黒衣の魔法使いに対して強い警戒心を抱いていた。相変わらず、底が知れないし得体も知れない。と言うより狙いが分からない。ワイズマンが未来を依り代に神の力を降ろそうとしている事は分かるのだが、その先にある筈の最終目標が読めないのだ。何が真の目的であるかが分からず、よって先の行動も読みにくい。その不気味さが気付かぬ内にキャロルに冷や汗を流させていた。
コイツの相手をしながら、片手間に儀式の中断をするのは無理だ。キャロルは多少効率は落ちても、この場をヴァネッサ達に任せて自分はワイズマンの相手に集中すべきであると結論を下す。
「俺はコイツの相手で手一杯だ。儀式の中断はお前達でやれ。出来ないとは言わせないぞ?」
「勿論よッ!」
「任せて欲しいゼ!」
「やり遂げてみせるであります!」
ヴァネッサ達の返事に満足そうに頷くと、キャロルはワイズマンを睨み付け顎を部屋の外へとしゃくる。
「表に出ろ。ここは戦うには狭すぎる」
「良いだろう。戯れに相手をしてやるさ」
今度は大人しくついてくるワイズマンの佇まいに、キャロルはますます警戒心を強めた。
儀式の中断自体は別にキャロルが居なくても出来る。そもそもこの儀式を最初に始めようとしたのは、ヴァネッサ達3人の方なのだ。儀式の手順は当然彼女達の方が熟知しているし、非常事態が起こった時の為中断の仕方も彼女達は分かっているのだ。キャロルが主導していたのは、その方が単純に効率が良いと言うだけの話に過ぎない。
にも拘らず、ワイズマンはあの3人だけを残して自分はキャロルとの戦いに臨んだ。それが意味する事とは…………
「貴様……何を仕組んだ?」
「仕組んだとは人聞きの悪い。言っただろう、ただの戯れだと」
そう言う事かと、キャロルは盛大に舌打ちをした。事はキャロルが思っている以上に深刻だったのだ。自分が読み違えた事に、キャロルは己の不甲斐無さを呪いつつ踵を返そうとした。
「クソッ!」
「おぉっと、もう手遅れだよ」
〈ライトニング、ナーウ〉
「ぐぅっ!?」
しかしキャロルの行動はワイズマンにより防がれた。放たれた電撃がキャロルの体を焼き、その勢いで壁に叩き付けられた。
「がはっ!? ぐ、くそ……!」
「フフフッ……さぁ、楽しいショーをじっくり見物しようじゃないか」
まるで道化師の様に両手を広げるワイズマンを睨み付けるキャロル。その彼女の視界に、ワ
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