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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第237話:時既に遅し
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使いはどいつもこいつも猪武者か?」

 この場にマリアが居れば真っ先に抗議するだろう事を宣いながら、キャロルは未来が寝かされている祭壇を指差した。

「小日向 未来は今、中途半端とは言え儀式に繋がれている状態だ。そんな状況で周囲を下手に壊して祭壇から引き離す様な事をすれば、最悪あの少女を壊してしまいかねないぞ」

 キャロルからの指摘に奏がヴァネッサ達を見れば、概ね間違いないのか彼女達も頷く。気が急いてつい考え無しの突撃をしてしまった。確かに未来を助ける事を考えるなら、事は慎重に運ぶべきである。今更ながら奏は、自分が思っている以上に冷静ではない事を思い出した。

「悪い、ちょっと頭に血が上ってた」
「気持ちは分からんでもないがな。ともあれ、お前にやってもらう事は単純だ」

 いきなりの突撃は褒められたものではなかったが、しかし奏にメデューサの相手をしてもらう事はキャロルの中でも決定事項であった。何しろ奏には錬金術の知識が皆無なのである。手伝いなんて出来ないし、それなら邪魔が入らないようにメデューサの相手をしてもらった方がずっと建設的だ。
 奏自身もそれは理解しているらしく、気を取り直すと改めてアームドギアを構えてメデューサと対峙した。

「あぁ、分かってる。未来を助ける、邪魔が入らないようにすればいいんだろ?」
「そう言う事だ。お前も消耗してるらしいが、メデューサも俺との戦いで大分傷付いてる。お前1人でも余裕だろ?」
「ハッ、当然ッ!」
「舐めるなッ!」

 先程と同じように奏がメデューサに駆け寄り、それをメデューサが迎え撃つ。槍と杖がぶつかり合うと、奏は受け止めたメデューサの杖を掴みそのまま引っ張って部屋の外へと連れだした。

「悪いなッ! キャロル達の邪魔をさせる訳にはいかないんだ。暫く付き合ってもらうぜッ!」
「チッ、離せッ!?」

 抵抗するメデューサだったが奏は構わず外へと連れだした。壁一枚隔てた先で奏とメデューサが激しく戦い始めるのを耳にしながら、キャロルは手早くヴァネッサ達に指示を出した。

「よし。あっちは天羽 奏に任せておけば大丈夫だ。こちらはこちらでさっさと進める。面倒だが下手な事をすれば小日向 未来がどうなるか分からない以上、手順通りに儀式を中断させる」
「えぇ!」

 意気込むヴァネッサに対し、ミラアルクとエルザは何処か呆けた様子でキャロルの事を見ていた。その視線に気付き、キャロルは訝し気に2人の事を睨んだ。

「何だ? そんなに人の顔をジロジロ見て……」
「え? あぁ、いや、その、何て言うか……」
「あなたは以前、S.O.N.G.と敵対していたと聞いたでありますが、随分と積極的に動いてくれているので少し意外だと……」

 2人の言葉に、キャロルは言葉に詰まった。確
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