暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第237話:時既に遅し
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後悔していた。あの時琥珀メイジと共に消し飛ばしたと思って完全に倒したかどうかを確認していなかった。丁度その時はガリィ達を回収する事の方を優先させていたし、ジェネレータールームの様子も気掛かりだったので後回しにしてしまったのだ。
 もしあの時念入りにメデューサの生死を確認しておけば、こんな事にはならずに済んだのでは? そんな考えがふとキャロルの脳裏を過った。

――いや、その場合はワイズマンが動いていただろうな――

 とは言え、自身の愉悦を優先させて動く傾向が感じられるワイズマンであれば、多少の面倒を押して儀式を始める可能性も高かった。結局のところ、未来を最優先で助け出しておかなければこうなる事は必然だったのかもしれない。そう思い直していると、一行は目的の儀式の部屋へと辿り着いた。閉ざされた扉を前に、奏はギアペンダントを持った手をもう片方の手に叩き付けた。

「さて、派手におっ始めてさっさと未来助けて帰るかッ!」
「油断するなよ」
「わ〜ってるよ」

「Croitzal ronzell Gungnir zizzl」

 奏がガングニールを纏い、アームドギアを構えるとヴァネッサが腕を曲げ肘からグレネードを発射する。

「離れてッ!」

 言われずともさっさと離れる。奏とキャロルが道を開けると、その間を一発のグレネードが飛んでいき扉を一撃で吹き飛ばした。

「なっ!?」

 爆音と共に扉が吹き飛んだのを見て、部屋で待機していたメデューサが振り返るとそこから奏達が雪崩れ込んでくるのが見えた。一方の奏達は、案の定部屋に控えていたメデューサと祭壇の上に横たわる未来の姿に一目散に彼女に駆け寄ろうとする。

「メデューサッ! 未来を返してもらうぞッ!」
「チッ!」
〈チェンジ、ナーウ〉

 突撃してくる奏を迎え撃つ為、メデューサが紫色の仮面のメイジに変身する。だが槍を片手に奏が飛び掛かろうとした次の瞬間、彼女の体は何かに引っ張られた様に後ろに下がってしまった。そのお陰と言うべきか、メデューサが迎撃の為に放った魔法の矢が何もない空間を通り過ぎるだけになる。

「のぉっ!? どわっ!?」

 後ろに引っ張られ、そのまま尻餅をついた奏。ギアを纏っていても尻餅をつけば痛むのか、ぶつけた所を擦りながらキャロルの方を見た。

「い、つつ……いきなり何すんだよッ!」

 先程体が後ろに引っ張られた際、奏は何か糸のような物が体に巻き付いたのを確かに感じた。それは以前の魔法少女事変の最後の戦いで、キャロルにやられた糸による拘束を思い出させる。
 案の定それはキャロルによるものであり、彼女は考え無しにいきなり突撃した奏を引き留める為多少乱暴だが糸を使って無理矢理後ろに引っ張ったのだ。

「落ち着け馬鹿者。ガングニール
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