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星河の覇皇
第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその五十九

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「エウロパの者を」
「ダブルスパイか」
「その様にして」
「連合に情報を流してもらうか」
「軍人や外交官、政治家に限らず」
「一般市民でもか」
「マウリアとエウロパを行き来している人物なら」
 それならばというのだ。
「誰でもです」
「ダブルスパイに仕立ててか」
「情報を提供してもらいます、報酬もです」
 これもというのだ。
「多くです」
「用意するか」
「かつてアケメネス朝ペルシャは黄金の力を使いました」
 即ちその富をというのだ。
「そうでしたね」
「ペロポネソス戦争の後だな」
「敗北はしましたが国力は失っておらず」
「次はその富でギリシアの者を篭絡していったな」
「そして今で言うダブルスパイにもしていました」
「それを踏襲するか」
「はい」
 こうキロモトに述べた。
「そうしていこうと国防省で言われています」
「それは君の考えではないな」
 キロモトは笑って言った、八条は正統派の政治家でありそうした策略を用いないことを知っていての言葉だ。
「そうだな」
「情報部から出ています」
 八条は正直に答えた。
「こうした案が」
「やはりそうか」
「そして私もです」
「国防長官としてだな」
「正しい戦略とです」 
 その様にというのだ。
「判断しています」
「実際にその通りだ」
 キロモトもこう答えた。
「私も思う」
「ダブルスパイをもうけていくことは」
「正しい戦略だ」
 八条に対して答えた。
「やはりな」
「左様ですね、国家戦略として」
「正しいな」
「基本です」
 国家のそれとしてというのだ。
「ですから」
「そうしていくな」
「そして情報収集を行っていきます」
「そうするか」
「エウロパの細部まで、ただ」
 ここで八条は剣呑な顔になってキロモトに話した。
「破壊工作はです」
「行わないな」
「軍事施設に行うなら兎も角」
「一般市民に対してはだな」
「一切です」
 それこそ全くというのだ。
「行いません」
「君は常にそうだな」
「軍事施設及び軍人に攻撃することはいいですが」
「一般市民にはだな」
「そうしたことはしません」 
 何があってもというのだ。
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