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ハッピークローバー
第百五十五話 他人の幸せその六

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「いい人でもね」
「色々ややこしい人だったのよね」
「落ち着きなくてね」
「そうだったみたいね」
「魅力のある人でも」
 このことは事実でもというのだ、人間的魅力は非常に高かったことは彼が出て来る創作でもよく書かれていることだ。
「けれどね」
「落ち着きなくて」
「無作法なところもあって」
「ややこしい人ではあったわね」
「結構ね」
「そうだしね」
「私龍馬さん好きだけれど」 
 理虹はそれでもと言った。
「お付き合いするにはね」
「ちょっと苦労するわね」
「そうだと思うわ」
「手塚治虫さんだったら」
 一華はあらためてこの人の話をした。
「お付き合いしやすいわね」
「いい人だったから」
「それでね」
「質素していてもそれを昇華する人だったし」
「それでね」
 そうした人物だったからだというのだ。
「本当にね」
「森鴎外よりずっといいわね」
「ええ、兎に角漫画を描いていったのね」
「お亡くなりになるまでね」
「嫉妬はしないに限るけれど」
 一華は強い声で言った。
「してもそこで悪いことしない」
「嫉妬する相手に意地悪とかね」
「そんなことしたら」
 それこそというのだ。
「さもしいわよ」
「そうよね」
「そんなことするよりも」
「手塚治虫さんみたいに努力する」
「そうあるべきよ」
「本当にそうね」
「まあ手塚治虫さんは特別にして」
 留奈はそれでと話した。
「基本一生懸命何かに打ち込んでいたら」
「嫉妬しないわね」
「そんな暇なくてね」
 それでというのだ。
「しないわね」
「そうよね」
「嫉妬は醜い感情っていうしね」
「よくね」
 一華もそれはと答えた。
「本当にそんな感情持って」
「悪いことするより」
「それよりね」
「努力する」
「本当にそれが一番ね」
「努力しない人ってね」
 留奈は嫌そうに話した。
「ほら、あの天理教の教会にいた」
「八条分教会ね」
「理事長さんの一族の人達が信者さんの」
「八条家の方々がね」
「あそこにいた人よ」
「あのどうにもならない人ね」
「自分はこの世で一番偉いと思っていて」
 そう勘違いしていてというのだ。
「その実はね」
「どうにもならない」
「あの人こそね」
「そんな人よね」
「実際生きていて」
 そうしていてというのだ。
「何の努力もよ」
「していなくて」
「それでね」
 そうであってというのだ。
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