青き江の妖花
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生ある者にとって水はなくてはならぬものである。水あるところに生物は棲みそこを中心に生物の社会が形成される。
これは人間も同じである。むしろ人間の社会程水を必要とする社会はないのではなかろうか。
古来より人の社会は水なくしては成り立たなかった。とりわけ川というものの存在は人の社会、文明を形成したといって過言ではない。
インダス河、チグリス=ユーフラテス河、ナイル河、そして黄河。古代文明は全て河に支えられてきた。『エジプトはナイルの賜物』と古来より謳われてきた。その言葉通り河は人々に多くの恵みをもたらしてきた。
今もそれは変わらない。ミシシッピー、アマゾン、ドナウ、ライン、ボルガ。多くの河がそれぞれの国々の生命線となっている。
その一つとして長江がある。中国南部を象徴する大河であり世界第四位の流域面積を持つ。この大河は何千年もの長きに渡って人々に豊かな恵みをもたらしてきた。北部を流れる黄河が暴れ河なのに対してその流れは比較的穏やかであり水墨画の如き幻想的な景色である。
古、東周時代の屈原の頃よりその美しく幻想的な風景は詩人達により詠われてきた。とりわけ盛唐期の詩人李白はこの風景を愛し多くの詩を残している。
青く対岸すら見えない海の様な江を多くの船が行き来している。大きな貨物船もあれば木製の小さな小舟もある。その小さな舟の中の一艘に彼はいた。名を神啓介、またの名をカイゾーグ仮面ライダー]という。
その大柄な身体は特に肩が発達しまるで水泳選手のようである。その身体を水色のセーターと白いシャツ、黒のスラックスで包んでいる。
やや細く収まりの悪い髪に黒い瞳と男らしい形の眉を持っている。その瞳からは強く澄んだ光が放たれている。
城北大学教授であり人間工学及び海洋生物学の権威であった神啓太郎の子として生まれた。母は彼が幼い頃に亡くなっており男手一つで育てられた。頑固で偏屈な父であったが同時に思いやりも兼ね備えており口では互いに罵り合いながらも信頼し合う父子の関係であった。
長じて沖縄の水産大学に入った。また父の助手でもあり恋人でもあった水城涼子と婚約しその前途は揚々たるものと思われた。しかし悪の魔の手が彼の運命を狂わせた。
デストロンが潰えた後またしても仮身の姿をライダー達に倒された首領は神教授の親友にして悪魔的な天才と謳われていた仮身の姿の一つ呪博士を使い当時の超大国達を唆し新たなる組織を結成した。その名はガバメント=オブ=ダークネス。略してゴッド、日本征服その実世界制覇を企む第四の組織であった。
そのゴッドが神教授の頭脳に目をつけ協力を迫ったのだ。教授がそれを断るとゴッドは教授を息子である神啓介共々抹殺する事を決定した。きょうじゅの助手である水城涼子を取り込み執拗に襲撃をかけた。そして遂に神教授を息子共々暗殺する事に
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