青き江の妖花
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の中二人はそれぞれ部屋から消えていった。
武漢に到着した神啓介はこの地の学者や役人と今後の打ち合わせをした後ホテルへ行きそおで一晩休んだ。次の日は午前に水質調査を終え昼食となった。武漢で獲れた鯉を油で揚げたものをメインに江の幸と野菜をメインにした中々豪勢なものであった。
昼食の後神は一人観光に出た。目的地はこの武漢の名物黄鶴楼である。
赤く幾層にも重ねられたこの楼は蛇山にある。優雅な庭園もありその屋根は全て見事なまでに反り返っている。遠く唐の時代よりありここから見下ろす景色は実に美しい。何度も焼失しており今の楼は一九八五年に建てられたものである。幾度となく甦りその美しい威容を世の者達に見せ続けている。
神は楼の最上層に登った。そしてそこから武漢、そして長江を見下ろした。
「凄いな、わざわざ一番上まで登ったかいがあったもんだ」
思わず感嘆の声を漏らした。それ程までにここから見られる景色は素晴らしかった。
「縁があったらまた来たいな。今度は仕事抜きで」
「そう、仕事なのが生憎だよ」
「それはお互い様だろう」
後ろから日に焼けた肌のアジア系の男が出て来た。引き締まった顔と身体に白の上着、青いシャツ、黒ズボンといういでたちである。
「インターポールから派遣されてきた滝和也だ。よろしくな」
スッと右手を差し出した。
「神啓介です。こちらこそ宜しく。お話は本郷さんと一文字さんから窺っています」
そう言うと滝の右手を握り返した。
「だったら話は早いな。俺がここへ来た意味も聞いてるな」
「ええ、市長の方から内密に。俺にここへ来てもらった本当の理由と一緒ですね」
「そうだ。俺達とは別にここへ来ている連中をどうにかする為だ」
滝も神と並んで武漢と長江を見下ろせる場所に出た。
「死んだ筈の奴等が棺桶から出て来て何やらおっぱじめようとしている。あんたもそれは本郷とかから聞いているだろう」
「ええ。それに昨日会いましたし」
「何っ、もう攻撃を仕掛けてきたっていうのか!?」
滝は思わず声を上ずらせた。
「はい。怪人もいましたよ。それも三体」
「怪人までか・・・・・・。どうやらここでも相当派手な事をしでかそうと考えてるな」
でしょうね。現に今ここにも来ていますよ」
神が上半身を後ろへ反らすとそこへ槍が突き出されてきた。神はその槍を掴むと思いきり引っ張った。槍の持ち主である戦闘員がバランスを崩しそのまま楼から落ちていった。
「岸辺の奴等の仲間かっ!?」
「どうやらあんたもこいつ等と付き合いがあるらしいな。じゃあやるか」
「こんな目立つ所で戦いたくはなかったけれど仕方ないな。どうやらどうしても相手をして欲しいらしい」
後ろから、左右から戦闘員達が現われてきた。そ
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