青き江の妖花
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「・・・・・・行ったか」
]ライダーはその後ろ姿を見送った。彼も好敵手を後ろから狙うつもりは無かった。真正面からぶつかり合い、全力を尽くして勝ちたかったからだ。
]ライダーは変身を解いた。そして神敬介の姿に戻るとその場を後にした。
「おい、もう行くのか」
「ええ、アポロガイストとの闘いではさしてダメージを受けていませんし」
武漢のホテルの前で滝はマシンに乗る神敬介を見送っていた。
「つっても昨日闘ったばかりじゃないか。疲れもあるだろう」
「これ位何でもありませんよ、ライダーなら」
「ライダー・・・・・・。そうだったな」
神がにこやかに笑って言った。滝もそれに対し笑みを返した。
滝が良く知る二人のライダーは度重なる死闘により常に傷を負っていた。しかしそれを決して人に見せる事は無く自らの命を賭して戦ってきたのだ。
「次へ行くのは上海だったな」
「はい、魔女参謀達はおそらく残った戦力を引き連れ長江を下っていると思われますので」
「あそこは厄介だぞ。何せ潜り込むにはうってつけの場所だからな」
「それでも構いませんよ。見つけ出すだけです」
「そうか。じゃあここで一先お別れだな」
そう言ってスッと右腕を差し出す。
「はい」
神も手を出した。
二人は手を固く握り合った。それは力強い戦死の握手だった。
神敬介はマシンのエンジンをかけた。爆音を立ててエンジンが動きはじめる。
滝は上海の方へ向けて駆けていくマシンをその姿が完全に見えなくなるまで見送っていた。そして一言言った。
「俺も行くか」
滝はホテルへ向かった。暫くして地下の駐車場からジープのエンジンの音が聞こえてきた。
青き江の妖花 完
2003・12・27
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