青き江の妖花
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量と気迫に勝るライダーがかろうじて勝負を五分に持ち込んでいた。
「やってくれるねえ、ゴッドを叩き潰しただけはあるよ」
ケイトは肩で息をしながら言った。
「言った筈だ、必ず勝つと」
]ライダーもよろめきかける身体で言葉を返した。
「じゃあもう一回これを浴びるんだね。今度こそ確実に死ぬよ」
間合いを話マントを翻した。再びあの赤い花びらが巻き起こる。
]ライダーはそれを落ち着いて見ていた。
(奴は花の化身だ。だとすれば火には無力な筈)
ケイトの姿を見て思った。
(そこを衝けば勝てる。だがどうすれば)
ケイトがもう一度マントを翻そうとする。時間が無い。その時ふと手に持つライドルに気が付いた。
(・・・・・・これだ!)
ライドルを両手に持つと胸の前で風車の様に激しく旋回させはじめた。
「フン、そんな事しても無駄だよ!」
マントが翻った。吹雪が襲い来る。
「死になぁっ!」
だが]ライダーはそれに対しライドルを回し続ける。その速さは何時しか音を越え何やら赤いものまで見えはじめていた。
「よし、今だ!」
ライドルを放った。凄まじい唸り声をあげつつケイトへ迫る。
毒花の吹雪を吹き飛ばす。
「クッ、それが狙いかい!」
舌打ちするケイト、だがそれで終わりではなかった。
激しく旋回するライドルに炎が宿った。ライドルは燃え盛る火車と化しケイトに襲い掛かる。
「ギェエエエエエエエエッ!」
この世のものとは思えぬ叫び声が沸き起こる。火車はそのままケイトの胸を直撃したのだ。
「・・・・・・上手くいったな」
]ライダーは全身を焼き尽くさんとする炎を床を転がりつつ必死に消そうとするドクターケイトを見て言った。
「ライドル火炎地獄、我ながら怖ろしい威力だな」
「クッ、ライドル火炎地獄だって・・・・・・!?」
まだくすぶり続ける炎に身を焦がさせ苦しんでいるケイトが顔を上げた。
「ライドルを旋回させその摩擦熱で火を生じさせたのだ。ケイトウの化身である貴様には炎が最も効くと思ったのでな」
「クッ・・・・・・」
「その通りだったな。最早貴様には闘う力は残っていない」
「おのれ・・・・・・」
止めを刺さんと跳躍しようとする。その時だった。
「止めろドクターケイト、貴様の負けだ」
ケイトの後ろから声がした。そこにはあの白服の男が立っていた。
「アポロガイスト!」
]ライダーは彼を見て叫んだ。
「加勢でもするつもりかい!?いらぬお世話だよ。]ライダーはあたし一人で倒してやるよ」
「その様でか?」
アポロガイストはケイトの強がりに対し冷たく言い放った。
「切り札を破られ火で重傷を負った貴様に]ライダーを倒す力は残っていない。悪い事は言わぬ。
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