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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
廃墟の巨人
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白いズボンを履き黒の短めのマントを羽織っている。名を岩石男爵という。デルザー軍団改造魔人の一人である。
 ギリシャ神話にスフィンクスという魔物が登場する。半ば神としての属性を持つテューポーンとエキドナの間に生まれた人の頭に獅子の身体、そして鳥の翼を持つ魔物であり路行く旅人に謎かけをし答えられぬ場合は容赦なく食い殺していった。この魔物はエディプスという若者にその謎を解かれると怒りと悔しさのあまり谷に身を投げ自害して果てた。邪悪でありながら誇り高い魔物であった。
 エジプトにもこの魔物と同じ名の魔物がいた。ただこちらには翼は無くギリシャのものより遥かに巨大であった。邪神アピスの眷属であったのだろうか。太陽神ラーを護るセトやトトといった武に秀でた神々と果て無き戦いを演じた。やがて力尽きナイルの地に座して死を迎えた。その力と潔さに魅入られた時のファラオはこの魔物を王の墓の守護者に任じた。たとえはじめは神々の敵であっても調伏されナイルの守護者となる事を期待されたのだ。この魔物はエジプトに座し続けこの地を守護し続けた。ナイルの尊き流れは今尚尽きることなくこの地の民に繁栄と豊穣を約束している。
 このスフィンクスの子孫が岩石男爵である。力技や岩を使用した戦法を得意としておりデルザーでもその強力は知られている。その反面短絡且つ粗暴な事でも知られており知略の無い作戦を展開している。
 「まあ奴はライダーの中でも特に弱いと言われているそうじゃないがや。なあ〜〜〜んも心配する必要はないきに」
 ガンラガンラと笑って答える。 
 「それじゃあわしはこれで失礼させてもらう。次に送る怪人に伝えねばならん事があるんでのう」
 「待てっ、話は終わっておらんぞ」
 岩石男爵はヨロイ元帥の言葉を最後まで聞こうともせずその場を後にした。
 「何という愚かな奴だ。力技でライダーマンが倒せるとでも思っているのか」
 扉が閉められるのを見て忌々しげに吐き捨てた。
 「おそらくあの攻撃で奴は少なくともこのベイルートで何かがあると察する。そうすれば頭の切れる奴の事だ、すぐに我等の存在と計画に気付くぞ」
 「あら、それはそれでいいんじゃなくて?ライダーマンをこちらの手の中に誘き寄せられるのよ」
 右側から女の声がした。ヨロイ元帥は声のした方へ顔を向けた。
 「妖怪王女か。何か考えがあるな」
 「ええ」
 暗闇の中から女がスット現われてきた。
 黒い髪と瞳を持つ小柄な女である。顔の上半分は蝶を模した桃色のマスクで覆っているがかなりの美女である。薄い桃色と金のレオタード状の服を着、腿まで隠したスカートは白く何重にも巻かれフワリとしている。彼女こそ妖怪王女。ジンドグマにおいて四幹部の一人としてその名を怖れられた女である。
 ハンガリーとオーストリアの境にあるショプロン近郊に生ま
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