廃墟の巨人
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った地域でもある。l手が足りないのである。
大トルコ宮を右に回り住宅地に入る。ここにもテロの傷跡が残る。
路を歩きながら彼は何者かがつけている事に気が付いた。サッと小路に入った。
その後を追って誰かが小路に入ってきた。尋常でない速さと身のこなしで結城の後をつけて来る。
「ムッ」
結城が角を曲がるとその者も後を追い角を曲がった。角の向こうは袋小路だった。窓の無い家々の壁で囲まれ所々に鼠の穴がある。
「残念だったな。俺はここだ」
男が上を見上げると壁の上に結城丈二がいた。いや、それは結城丈二ではなかった。彼の持つもう一つの姿、ライダーマンであった。
青い中央が赤と白、緑に塗られたヘルメット、顔の下半分は露出している。黒のバトルボディの胸は赤く腹部はヘルメットと同じカラーリングである。手袋とブーツはシルバーであり大きなマフラーは黄色である。腰にあるベルトは四つの小さなタイフーンである。歴戦の四人目のライダー、ライダーマンだ。
「何者だ。ジンドグマの残党か?」
男は答えようとしない。そのかわりであろうか。着ていた黒いスーツの上着を脱ぎ捨てた。すると男の姿は不気味な怪人となっていた。
「ガオーーーーーン」
ドグマの火炎怪人ファイアーコングである。
「やはり改造人間か。ならば容赦はしない!」
壁から飛び降りファイアーコングの前に着地した。小路にて両者の一騎打ちが始まった。
ファイアーコングが次々と拳法の技を繰り出す。ライダーマンはそれを左手で防ぐ。
「ガオーーーーッ!」
間合いが離れると怪人は炎を吹き出してきた。
「うぉっ!」
これにはライダーマンも怯んだ。しかしすぐに体勢を立て直す。そして腰から何かを取り出し右手に入れた。
「スモッグアーーーム!」
右手が瓢箪形のアタッチメントと化しその先から煙幕を発した。ライダーマンはその中に隠れ見えなくなってしまった。
「ガッ!?」
視界を完全に遮られてしまった怪人は必死にライダーマンの気配を探ろうとする。だが敵の気配は全く感じられない。次第に焦燥感が募る。
「グォッ!」
何かがファイアーコングの脳天を一閃した。怪人は急所を直撃され即死した。
煙幕が晴れていく。ライダーマンは既に結城丈二の姿に戻っていた。
ファイアーコングの亡骸もあった。怪人ではなく人の姿に戻っていた。何処も変わったところのない普通の男だった。
「刺客だな。だとすれば一体誰が」
男の死骸に歩み寄ろうとする。その時上から何かが撃ち込まれてきた。
「ムッ!」
結城は咄嗟に跳びその攻撃をかわした。だがそれは結城を狙ったのではなく死骸を狙ったものだった。ファイアーコングだった男の死骸は四散してしまった。
「証拠隠滅か。これでは持ち帰っても意味がな
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