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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
廃墟の巨人
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現われてきたのだ。
 その代表とも言えるのがPLO-=パレスチナ解放機構である。彼等はカナンの地でのパレスチナ人の独立国家建設を目指し
イスラエルに対しテロ行為で挑んだ。これに対しイスラエルも精鋭をもってなる正規軍と中近東にその名を馳せた諜報機関モサドをもって対抗し再び血で血を争う抗争が始まった。双方に多大な犠牲を出しようやく和平に至った。
 だがこれで話は終わりではなかった。PLOが穏健路線に転じはじめると狂信的なイスラム原理主義者達が台頭してきた。
 超国家的ネットワークを持つ彼等は詩すら恐れずイスラエルに無差別なテロ攻撃を行なった。対するイスラエルも徹底的な報復を行なった。やがてイスラエルでも強硬派が発言力を持つようになり一旦和平が成立したパレスチナに対しても原理主義者達との関係を理由に兵を進めるようになった。再び際限無き戦争が続くかと思われたがパレスチナ政府が決して強硬な態度を取らずイスラエル強硬派が国際世論から完全に見放されたことにより双方は矛を収めようとしている。原理主義者達はまだ動いているが戦火は収まる方向へ動こうとしている。ここに至るまで実に多くの血が流れた。
 レバノン共和国の首都であるベイルートはかって『中東の真珠』とまで謳われた美しい都市であった。しかし度重なるテロにより廃墟となってしまった。ようやく復興しつつあるとはいえ戦禍の爪跡はまだ深い。
 そのベイルートに男はいた。さほど高くなく細身だがよく鍛錬されているのであろう引き締まった身体をした黒い髪の東洋人の青年である。上が紺、下が薄いブルーのスリーピースのスーツを着込みネクタイを締めている。カッターはズボンと同じ色だ。
 やや頬の薄い顔はエラが無く細長い印象を与える。黒い瞳は眉とバランスが取れており知性をたたえている。全体的に知性を感じさせる印象であるが同時に熱さも併せ持っているようだ。この青年の名は結城丈二。ライダーマンとしてその名を知られた人物である。
 日本に生まれた。幼い頃より神童と謳われる程の天才であった。だが両親を事故で失い施設に預けられる。奨学金を受け大学まで無事卒業したがその身は常に孤独であった。
 才を買われある政府機関の助手となったがその優秀さが裏目に出た。あまりにも優秀すぎたが故に誰にも理解してもらえず孤立してしまったのだ。
 その孤独に彼は絶望した。世を捨てようとしたその時声を掛ける者がいた。デストロンという組織の者だった。
 その者は彼に言った。我々は平和で平等な理想社会の建設を目指している。その為に力を貸して欲しいと。
 彼は一瞬迷った。だが承諾した。最早全てに絶望し孤独に苛まれていた。それから脱却出来るのなら構わないと。
 デストロンにおいて彼はその才能を開花させた。平和利用の為の薬品開発や改造手術において名を知られるようになり
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