廃墟の巨人
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。鈍い何かがひしゃげ潰れる音がした。
「ぐぶうぅっ・・・・・・!」
胸に直撃を受けたライダーマンが口からドク黒く濁った血を吐きつつ苦痛の表情を浮かべる。岩はなおも回転し肋骨の折れる嫌な音が聞こえてくる。
岩が弾きかえる。ライダーマンは後ろにとばされ激しく地面に叩き付けられる。
「がはああぁぁっ・・・・・・!」
鮮血を噴き出した。マスクから露出した顔の部分だけでなく壊れたコンクリートや煉瓦で埋められた地面まで赤く染め上げた。
「どうじゃあ、岩の味は。こたえられんじゃろがあ」
まだ口から鮮血を滴らせながらも立ち上がってきたライダーマンに対し高笑いしつつ言った。
「まぁだ立ち上がってくるとは感心な奴じゃ。しかしそれも終いじゃ。せめて苦しまんようにしてやっから安心しい」
そう言うと再びジャンプし岩へと変身した。
「止めじゃあ!」
再び地を鳴らしバウンドしてくる。
ライダーマンはバウンドしつつ迫るその巨大な岩石を直視していた。足がよろめく。身体中に鈍い激痛が走る。立っている事さえつらい。口の中は鉄の様な錆臭い味で満ちている。避ける体力は残っていない。一撃を受ければ命は無い。そういった状況だった。
「だが負けるわけにはいかない・・・・・・!」
岩が来る。ライダーマンはその岩を見ていた。
「岩・・・・・・・・・そうだ!」
ライダーマンの脳裏に閃きが生じた。
「アタッチメントチェンジ!」
パワーアームのセットを指から取り外した。そして別のセットを入れた。
「ドリルアーム!」
鋭い金属音を立てドリルが回転する。そのドリルを回転させたままライダーマンは迫り来る岩石男爵を直視していた。
「・・・・・・・・・」
「何をやろうとしちょるか知らんが無駄な事じゃああ!」
岩石男爵が余裕に満ちた声で言った。
「もう逃げられん、成仏しりゃあせ!」
「・・・・・・そこだ!」
頭上から急降下してくる岩に対してアームを構えた。そして力を溜め跳び上がった。
「止めようとしても意味無いわぁ!」
勝ち誇る。だから気が付かなかった。ライダーマンが必勝の笑みを浮かべていることに。
硬い物がぶつかり合う音がした。空中で両者は時が止まったかのように静止していた。
「あ、が、ガアアアアア・・・・・・」
岩が次第に岩石男爵の姿へと戻っていく。その腹をライダーマンのドリルアームが貫いていた。
「やはりな、急所はそこだったか」
ドリルを岩石男爵の背から引き抜いた。着地したそのすぐ後ろに岩石男爵の巨体が地響きを立てて落下した。
「ど、どういう事じゃあ、わしの岩石落としが破られるとは・・・・・・」
「岩の結点を衝いたのだ」
ライダーマンは言った。
「結点!?」
「そうだ。ど
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