廃墟の巨人
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パワーアームで受け止めた。銀の火花と鈍い金属音が響き渡る。
怪人の回し蹴りがくる。ライダーマンはそれを右脇に掴むと右から左へ身体を捻り投げ飛ばした。
「鉤爪アーム!」
アタッチメントを取り替えた。鉤爪アームである。
「おのれっ!」
怪人のフックが振り下ろされる。それをアタッチメントで絡め取った。そして前から後ろへ捻り破壊してしまった。
「まだだっ!」
返す刀で切り裂いた。断末魔の叫びをあげツリボットは爆死して果てた。
「やはりな。いくら他のライダー達に体力的に劣るとはいえライダーはライダーだ。それに知力ではライダー随一とも言われている。一対一で怪人がそうそう容易に勝てる相手ではない」
男は怪人の爆死を見届けつつ落ち着いた声で言った。
「奴の居場所もすぐに判るだろう。どの道ベイルートでの我々の作戦は水の泡だ。これ以上の戦いは無意味だ。だが・・・」
男の眼がギラリ、と光った。
「今はどの様なものであれ手駒は一つも失うわけにはいかぬな」
葉巻を海に投げ捨てるとスゥッと姿を消した。
その頃岩石男爵は自らの基地にて悠然と昼食に興じていた。その食材は人のそれとは全く異なり岩や砂からなっている。
「フフフフフ、ツリボットの奴今頃は上手くやっておるじゃろに」
岩を手掴みで口に運び込むとバリバリと音を立てて噛み砕いた。
「まあ今は奴からの報告を楽しみにしちょこう。もうすぐライダーマンの首が見られるきにのう」
その時伝令の戦闘員が部屋に入って来た。何事かあったのだろうか。ひどく慌てており息を切らしている。
「なんじゃあ、無粋な奴じゃ。わしは今食事中じゃぞ」
「報告します、ベイルート港での戦いにおいて我々の戦力は壊滅、ツリボットは撃破されました!」
「何っ!」
「さらに捕らえられた戦闘員の一人からわれわれの基地の所在を聞きだしたようです。こちらに急行しております!」
「な・・・・・・!」
岩石男爵はその報告に唖然とした。咄嗟に席を立ってしまった為テーブルをひっくり返してしまった。岩や砂が床に散らばる。
「結城丈二の他にインターポールの者達もこちらに向かっています。岩石男爵、如何致しましょう!」
「ぬうう、決まっちょるじゃろうがあ!」
声を荒わげた。
「全力で叩き潰すんじゃあ、一人残らず表へ出るんじゃあ!」
「ハッ!」
伝令の敬礼を受け荒々しい足取りで外へ出る。戦闘員達がそれに続く。
ビルの外へ出る。そこは廃墟だ。左右に屈強な男達が並んでいる。
「岩石男爵、ここは既にインターポールが包囲した。最早逃げられんぞ!」
滝が岩石男爵を指差して言った。
「言うのう、インターポールの雑魚共が。返り討ちにしてくれるわい。やっちゃれえいっ!」
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