廃墟の巨人
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ていたとか」
「はい。ならばこの街にデルザーの岩石男爵が潜んでいるのも」
「さっき遭いましたよ。妙な奴でした」
「そうですか。では話が早い。今より我々は貴方と行動を共にさせて頂きます」
「有り難い。是非ともお願いします」
「はい」
「おお」
二人が握手をする為に結城へ歩み寄る。しかし彼は全く歩み寄ろうとしない。
「すいません。握手をする暇はないようです」
「?」
滝が不思議に思ったその時だった。木の上から何かが一斉に降り注いできた。
「これは・・・・・・」
それは蛇の群れだった。地に着くと白い煙と共に人の型へと変身した。
「ヒューーーヒューーー」
それは戦闘員達だった。右手を蛇の鎌首の様にもたげて奇声を発しつつ近寄って来る。
「くっ、つけられたか」
滝が口惜しげに漏らした。
「どうやらこちらの動きも読まれているみたいですね」
役が襲い来る戦闘員の一人を鉄拳で倒しつつ言った。
「しかしこの連中は岩石男爵の部下ではない。他の幹部、いや改造魔人の手の者達ですね」
「だとしたら誰だ?」
結城と滝は戦闘員達を倒しつつ話を続ける。
「この独特の動きと雰囲気、おそらく・・・・・・」
推理を続ける結城。だがその前に何かが襲い掛かる。
「キィーーーーーッ」
それは回転鋸だった。何者かが鋸を振るっているのだ。その鋸は腕だった。デストロンの女性怪人ノコギリトカゲの腕だった。
「結城!?」
「結城さん!?」
滝と役が思わず声をあげる。しかしそこに結城はいなかった。
「キィッ!?」
怪人も戦闘員達も辺りを見回す。木々に紛れ込んだのか、それとも後ろか。焦りを覚えたその時だった。
「ギッ!?」
何かがノコギリトカゲの首に巻きついた。そして上へと思いきり引っ張っていく。
「ギィーーーーーッ」
それはロープだった。木の枝から吊り上げられもがき苦しむノコギリトカゲの下にはライダーマンがいた。
「ノコギリトカゲ、貴様を設計し改造したのはこの俺だ。貴様の事は俺が一番よく知っている」
ライダーマンはそこに片膝を着き座して言った。
「ギギ、ギーーーーーッ」
「貴様の弱点は首、首を攻められればすぐに倒れる」
そう言うと右手を下へ引いた。
「貴様を生み出した俺の手で・・・・・・滅びろ」
ガクン、と首を垂れた。ビクッ、ビクッと硬直化し遂には動かなくなってしまった。
ロープを収める。ノコギロトカゲはドサリ、と大きな音と共に地に落ちた。
「俺の過ちは俺の手で償う。・・・・・・・・・それが俺のやらねばならない事だ」
「ライダーマン・・・・・・」
滝はここにも哀しい心を持つ男を見た。彼もまた悲哀と孤独を心に秘め戦い続けるライダーなのだと悟
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