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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
廃墟の巨人
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のは判っている。さっさと姿を現わせ」
 「イーーッヒッヒッヒッヒ、流石は地底王国の主。お見通しかい」
 ヌウッと不気味な影が姿を現わしてきた。全身を鱗で覆われ頭からは禍々しく曲がった二本の角が生えている。唇は無く毒々しくヌラヌラと光る牙が上下から生えておりその両眼は赤く血の色をしている。その大きい胸はこの怪人が女であることを現わしている。赤いマントを羽織り右手の鞭は生きた蛇である。左腕は巨大な蛇そのものでありシュウシュウと黒い息を吹き出している。この女怪の名をヘビ女という。デルザー軍団ではある男の片腕として辣腕を振るった恐怖の改造魔人である。
 インドでは古くよりナーガという半神が崇拝されていた。上半身は人、下半身は蛇という姿であり水を司る言うならば水の精であった。このナーガ達は不死性と毒を持つとされその性質はおおむね善良えあった。仏教の竜王のルーツであるとされその信仰は根強いものであった。
 多くのナーガ信者達は正しく信仰していたのだが中にはその心を邪なものに転じてしまった者達もいた。
 彼等はナーガの持つ不死性と毒に憧れその力をもって世を支配せんと企てた。遂には呪術でヘビの力を得たのである。残念ながら不死の力は得られなかったが毒、そして蛇に変化する術を身に着けるに至った。
 彼等はこの力によって暗躍した。時の王朝の重臣達が次々と暗殺され王も幾度となく命を狙われた。やがて寵妃の一人の行動がおかしい事に気付いた王は彼女に対し密かに見張りを付けた。やがて妃が夜毎宮廷を何時の間にか出ている事がわかった。だがどうやって姿を消し何処へ行っているのかまではわからなかった。そこで王は一計を案じ兵達を宮中に潜ませたうえで妃と寝床を共にした。あえて死地に入ってみせたのである。
 王が寝入ったとみると妃は起き上がった。そしてやにわに巨大な蛇へと変化し王に襲い掛かった。
 だがそれは王の計算のうちだった。サッと目を覚ますと隠し持っていた短剣を蛇の喉に突き刺した。
 蛇は獣の如き絶叫を上げ床の上でのたうち回った。そして次第に人の姿に戻るとそのまま息絶えた。
 蛇の断末魔を聞き宮中へ蛇達が一斉に攻め寄せて来た。計画が漏れていた事を知り実力行使に出たのだ。
 しかしそれも王の思惑通りだった。武装し、待ち構えていた兵士達にことごとく討ち倒されてしまった。こうして邪な蛇の邪教徒達は費え去ったのである。
 しかし僅かながら逃げ延びた者達もいた。彼等は地下深くに潜伏し復活の時を待った。その子孫こそがこのヘビ女なのである。人の血と死を好む残虐にして奸智に長けた改造魔人である。
 「貴様だと思っていたわ。ゴースターを送ったのもそうだろう」
 「さあて何の事やら」
 ヘビ女は男の質問に対しあえてはぐらかしてみせた。
 「あいつの指示か?」
 「それは言えないねえ。
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