廃墟の巨人
[14/26]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
し棍棒を振り回し荒れ狂う。
「折角二対一でライダーマンの奴を仕留められたのに何であんなのが出て来るんじゃあーーーーーっ、一体誰の差し金じゃあーーーーーっ!」
テーブルを叩き壊しグラスを壁に向かって投げる。最早手のつけようがない。
“そう怒るな。まだ打つ手は幾らでもあるぞ”
不意に部屋の中に声が響いた。
「ん?おんしか?」
それは男の声だった。闇の中からスッと影が現われた。例の黒服の男だ。
「どうやら邪魔が入ってライダーマンを排除しそこね頭にきているな」
フフフフフ、といわくありげに笑いながら言う。
「それがどうかしたのかや!?」
不機嫌さをあからさまに出している。
「まあ怒るな。今日は貴様に渡したいものがある」
「渡したいもの!?」
男は余裕をもって指を鳴らした。すると壁から一体の怪人が現われた。
「こいつを貸してやる」
「ほお。有り難いのう」
「だがこれだけではない」
また指を鳴らした。すると怪人は再び壁の中へ消えた。
「ライダーマンは確かに切れ者だ。しかし力は全ライダーの中で最も弱い。怪人一体を相手にするのが限度だ。三体を相手には出来ん。それを衝けば容易に倒せる筈だ」
「ぐう・・・・・・」
男はあえて三体と言った。先程のビルの上での闘いの事が岩石男爵の脳裏をよぎる。それまでも頭に入れてあえて言ったのだ。
「だが今は三体も出せない。しかしこの怪人ならライダーマンの力をかなり消耗させる事が出来る。その後貴様が奴の相手をすればいい。そうすればライダーマンの首を挙げられる」
「ほほぉ、良い案じゃのう」
満足気に頷く。
「後はライダーマンを誘き出す事が必要だがそれは俺に任せてくれ」
「そうじゃのう。わしはそういった事がどうも苦手じゃからのう」
苦手なのはそれだけではないだろう、と内心罵ったがあえて口には出さなかった。
「場所は後で連絡する。それまで鋭気を養っていればいいだろう」
「うむ、そうさせてもらうかや」
そう言うと早速ソファーに寝転がった。そして高いびきをかき眠りはじめた。
「・・・・・・全く救い難い単細胞だな。奴やオオカミ長官の言う通りだ」
侮蔑の眼差しで岩石男爵を見下ろしながら言った。
「だがこれはこれで使い道がある。精々駒として動いてもらうか」
そう言うと闇の中へ消えていった。
建物の外へ出た。ビルの周りは度重なるテロの結果であろう瓦礫の山だった。
「・・・・・・・・・」
男はおもむろに首のマフラーを外した。そして右の方へ向けてそれを投げた。
マフラーは火球となった。そして轟音と共にそのまま飛翔した。
火球が空中で弾け飛んだ。何かしら鞭のようなもので叩き落とされたような感じであった。
「隠れている
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ