廃墟の巨人
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「ドイツ?知らんな」
わざととぼけてみせる。
「それはそうと俺も貴様に聞きたい事がある」
逆にこちらから切り返した。
「何だ?」
「インドでの件だが。何故犬猿の仲のあの二人が合ったのだ?」
続けた。
「裏で仕組んだ者がいると言われているようだが」
「さて、何の事やら」
白服の男も知らぬふりをする。二人共腹の中を探り合うが互いにそれを隠し合っている。
「知らないか。ならいい。用件はそれだけか」
「もう一つある。情報を持って来た」
「情報?」
「そうだ。知りたいか」
「内容によっては高く買ってやる」
「そうか」
一枚のカードを黒服の男の前に投げた。それはダイヤのナイトだ。
「このカードは・・・・・・」
男はカードを手に取りいぶかしんだ。
「ベイルートにある男が来た」
「ある男?」
「貴様も知っている。結城丈二。またの名をライダーマンという」
「何ッ、あいつがか!」
黒服の男は思わず声をあげた。
「これが何を意味するか解かるな」
「おのれっ、感づいたか」
「既にベイルートにも情報は入っている筈だ。今頃対策が検討されているだろう」
「ぬうう、それにしても・・・・・・」
「ベイルートにも改造魔人がいるだろう。誰だ?」
「・・・・・・・・・岩石男爵だ」
黒服の男は忌々しげに言った。
「ほお、あの単細胞が。これは面白い事になりそうだな」
その口調には明らかに嘲笑の色があった。
「貴様、何が楽しい」
黒服の男は白服の男を睨みつけた。
「別に。それにしても何か焦っているのか?急に機嫌が悪くなったようだが」
「フン、何でもないわ」
「そうか、これは失敬」
白服の男は表向き謝ってみせた。
「まああの男の事だ。何も考えず力のみでライダーマンを倒そうとするだろう。かってデストロンで将来を渇望されライダー達の知恵袋とも言われるあの男に力のみの攻撃で勝てるとは思えぬがな」
「むう、確かに」
これには黒服の男も納得した。岩石男爵の粗暴さと浅慮さはデルザーの時から有名であったのだ。
「では俺はこれで失礼させてもらう。こちらにもやらねばならぬ仕事があるのでな」
そう言うと何処からか数枚のカードを取り出してきた。
「マントフェイド!」
パッとカードを上に投げるとその中に隠れるように消えていった。カードも地に落ちると煙の様にスウッと消えてしまい後には何も残らなかった。
「・・・・・・奴め、俺と岩石男爵の関係について知っているな」
黒服の男は一人残った部屋で忌々しげに呟いた。
「それを知ったうえで情報を伝えに来たか。相変わらず腹の底の読めん奴だ」
東部にある無数の、特に中心の巨大な光が妖しく輝く。
「
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