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八条学園騒動記
第七百八十三話 徴兵制度その四

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「つくづくね」
「生まれた時点で兵隊さんにならされて」
「えげつない訓練と生活でね」
「自由もないね」
「贅沢もね、ただひたすらね」
「戦う為に生きて」
 トムはそうしてと話した。
「戦うんだよね」
「実際にね」
「そうした人生はね」
「送りたくないわね」
「僕もだよ」
 ペリーヌに心から答えた。
「あと北朝鮮にもね」
「行きたくないわね」
「あそこも国民皆兵で」
 今は存在しない、流石に国民が長い間飢餓状態にあってそれで国家が長く続くことなぞ有り得なかった。
「先軍政治で」
「もう自由なんてね」
「なくて」
「ついでに食べものもなくて」
 そうでもあってというのだ。
「どうにもならなかったわよ」
「そうだね」
「冗談抜きで海賊やった方がよ」 
 アン=ボニーの恰好のまま話した、四人共海賊の恰好のままだ。
「長生き出来るし生活レベルもね」
「いいね」
「そうよ」
「実際の海賊の生活って」
 トムは話した。
「酷かったんだよね」
「まともな食べものなかったしね」
「漂流したらその食べるものもなくなって」
「大海原の中でね」
「そしてそのまともでない食べものは」
 何かというと。
「塩漬けのお肉とかお魚とか」
「物凄く塩辛いね」
「しかも蛆が湧いた」
「パンにも蛆が湧いてね」
 主食の方もというのだ。
「それで石みたいに固かったのよ」
「本当に酷いね」
「それでそうしたものしかないから」
 食べるものはというのだ。
「栄養バランスが悪くて」
「体壊したんだよね」
「壊血病になってね」
 この病気にというのだ、ビタミン不足によってなる。
「それでね」
「死ぬ人多かったね」
「だからね」
「海賊の生活って」
「過酷でね」 
 そうであってというのだ。
「長生き出来なかったのよ」
「平均寿命短かったね」
「大体二十代でね」
 その平均寿命はだ。
「どんどん死んでいったのよ」
「過酷なお仕事だね」
「現実はね、ただね」
「ただ?」
「倭寇の人達は」
 彼等はというと。
「日本の漁師さんのアルバイトだったから」
「本来の倭寇は」
「それでだから」
「栄養は足りていたんだね」
「だから余計に強かったのよ」
 そうだったというのだ。
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