第九話 天使達の降臨その六
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「君達でわかる?」
「はい、調べましたでございます」
「それはな」
その通りだと答えるマンドラゴラとスモーキーだった。
「ですがその結果」
「何か反応とか手掛かりとかは全然ないぜ」
「そうなんだ。ないんだね」
「僕ちんはこの街にはないと思うでございます」
「俺もだ」
こう答える彼等だった。
「何処か他の場所にあると思いますです」
「それで古都にだな」
「そうね。この街にはないわ」
テトムも言ってきた。何気に彼女が最もお菓子を食べている。今はジャンボパフェを食べている。しかも凄い速さで胃の中に入れていっている。
「京都にはね」
「じゃあ一体何処に」
「あるのかしら」
「奈良じゃな」
相変わらずハムスター姿の館長が言ってきた。
「そこにある」
「奈良に」
「そこにあるんですか」
「そうじゃ、そこじゃ」
まさにそこだというのだ。
「奈良じゃな。おそらくは」
「あっ、そうか」
ここで気付いたのは冴だった。納得した顔で首を縦に小さく振りながらの言葉だった。
「奈良も古都だったわね」
「そういえばそうよね」
早輝も冴のその言葉に頷く。
「京都もね」
「だからそこにあってもおかしくないわ」
「じゃあ今度は京都かよ」
「そこに行くのね」
「そうですね。それでは皆さん」
介さんが音頭を取ってきた。
「今度は奈良に行きましょう」
「奈良かあ」
「何か美味しいものあったかしら」
「鹿煎餅?」
呑気にこんなことを言い出す彼等だった。
「あれって人間も食べられるらしいし」
「けれどまずいんじゃなかったのか?」
「鹿が食べるものだろ?」
「人間が食べても」
やはり何処か呑気である。しかしこれで彼等の次の行く先が決まった。京都を離れ奈良に向かう。早速京都駅から奈良に向かうのであった。
近鉄線のホームで待つ。そこはかなりの大きさだった。
「しかし京都の駅も」
「そうっすね」
宝児に対して連が応える。
「広いっすね」
「近鉄線だけでホームが幾つもある。
ホームが横に並んでそこにそれぞれ電車が停まっている。彼等は今から特急で京都に向かうのだった。右手にはJRの線路が見え貨物列車もある。左手には京都の街が見える。彼等から見て後ろは出口になっている。
その特急にそれぞれ入りだ。皆それぞれの席に座った。
「貸切?」
「そうだよ」
ボンバーが皆に話す。彼もいるのである。
「その方が安いからね」
「成程」
「だからなのね」
「しかしそれにしても」
ここで康介がシャーフー達を見て言う。
「師匠達も普通に乗れるんだな」
「まあそれはね」
「気にしない気にしない」
当然ながら異様に目立っている。子供達も指差してあれこれ話している。
「お母さん、ぬ
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