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夢幻水滸伝
第三百七十六話 九尾の黒猫と共にその十五

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「仲間に誘って」
「一緒にですね」
「やっていってな」
「運河も掌握していましたか」
「そうやったけど」
 それでもというのだ。
「あそこにはいてへんし」
「だからですか」
「進出せんわ」
「そうお考えですか」
「やがてあそこも掌握する人が出るわ」
「ではご主人は」
「コロンビアの政に専念するで」
 暫くの間はというのだ。
「そうするで」
「そうですか、ご主人がそう言われるなら」
 黒猫は主の言葉に頷いてから彼女に話した。
「私もです」
「それでええ?」
「はい」
 こう答えるのだった。
「ご主人のお考えを尊重します」
「そう言ってくれるんやね」
「左様です」
 まさにというのだ。
「私はご主人の神具なので」
「尊重してくれるんやね」
「間違っていると思えば諫言させて頂きますが」
「今は間違ってへんね」
「はい」
 そうだというのだ。
「私は思います」
「それでやね」
「今回はです」
 まさにというのだった。
「そうされて下さい、そしてコロンビアを今以上に」
「平和で豊かにやね」
「されて下さい」
「ほなね」
 笑顔でだ、ニキータは黒猫に応えた。
「やらせてもらうわ」
「その様に」
「贅沢しながら」
「いえ、ご主人の贅沢はそう言えるものではないですから」
「そこまでいかへんのやね」
「はい」
 そうだというのだ。
「とても」
「贅沢はもっとちゃうもんやね」
「まさに酒池肉林の」
 そう言うものでというのだ。
「連日連夜美酒美食に囲まれ」
「でかい宮殿とか建築して住む」
「そうするもので」
「そういえば紂王さん凄く高い塔も建ててたわ」
 酒池肉林のはじまりとなった商、またの名を殷という古代中国王朝の暴君である。ただしこの暴君説には異論もある。
「酒池肉林に」
「左様ですね」
「ああいうのがやね」
「贅沢かと」
「そやねんね」
「はい」
 こう言うのだった。
「少なくとも一軒家に住まれて」
「玉蜀黍とかパンとか食べて」
「そういうものはです」
「贅沢やないんやね」
「アイス食べても」
「それでもです」
 今実際にアイスを食べている主に言った。
「少なくとも今ここではです」
「この世界のコロンビアでもやね」
「どなたも召し上がられていますね」
「食材は全部豊富にあるし」
「そうですね」
「牛乳もお砂糖も卵も」
 そういったものがというのだ。
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