第百五十四話 仮面その十
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「わからないけれどな」
「サイズや柄でわかるのね」
「自分のはな」
「自分が穿いてるから」
「そうだよ」
「そうね、私とお母さんもわかるし」
「自分の下着はな」
「だからね」
それでというのだ。
「問題ないわ」
「そうだろ、わかるんだよ」
「自分の下着のことは」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「これが本当に同じ色で同じタイプならな」
そうした下着ならというのだ。
「わからないけれどな」
「流石に」
「私とお母さんが同じ白の下着だったら」
かな恵はそれならと応えた。
「やっぱりね」
「わからないだろ」
「サイズ確認しないとね、何でもね」
かな恵はさらに話した。
「私って胸もお尻も大きいから」
「それでか」
「お母さんわかるって言うわ、あとね」
「あと?」
「下着は歳取るとあったかいものを穿く」
かな恵はこうも言った、鳴海と一緒にカレーを食べながらそのうえで話していく。
「そうしないと冷えるってね」
「あったかい下着か」
「あまり派手なのは冷えるってね」
「そうなんだな」
「だから普通の下着を着けて」
頭の中で普通のデザインのブラやショーツを思い浮かべながら話した、その色は可愛らしいピンクであった。
「服もね」
「あったかいものか」
「身体を冷やすなってね」
「おばさん言ってるんだな」
「女の子は特にね」
「そういえばおばさんよくそういうこと言うよな」
鳴海はかな恵に言われて彼女の母のことを思い出した。
「身体冷やすなとかな」
「熱中症になるかとかね」
「そう言うな」
「そうなのよね」
「女の子は身体冷やすなっていうんだな」
「子供産むし身体冷やすとそれだけで身体に悪いから」
だからだというのだ。
「出来るだけね」
「身体をあっためろっていうんだな」
「だから下着もね」
こちらもというのだ。
「あったかいものをね」
「着けろっていうんだな」
「よく言うのよ」
「かな恵のこと考えてか」
「そうなの。それで私もね」
かな恵自身もというのだ。
「確かにってね」
「その通りだって思うんだな」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「露出の多い下着はね」
「着けてないか」
「そうしてるの」
「かな恵も健康志向だしな」
「それにあまり派手な下着はね」
露出の多い、というのだ。
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