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ハッピークローバー
第百五十四話 仮面その八

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「堀内は自分に甘くてな」
「他の人には厳しいの」
「凄い尊大で口も悪くてな」
 そうした輩でというのだ。
「態度も悪くてな」
「嫌われる人だったのね」
「何か選手の人達に罰で雨の日グラウンドで走らせて」
 コーチ時代にというのだ。
「自分は球場の中の食堂で食いながら記者の人達とお喋りしてたんだよ」
「自分はなのね」
「問題は選手の人達にあって」
 そうであってというのだ。
「教えて指導する自分に問題はない」
「そう思ってるから」
「それでな」
「こうした時って自分もよね」
「走るよな」
「ちゃんとした人はね」
 かな恵も確かにと答えた。
「そうするわね」
「選手の人達にさせるならな」
「けれど自分はそうだったのね」
「それで清原が怒ってな」
 この輩がというのだ。
「ランニングの後ロッカーで暴れたんだよ」
「あの人らしいわね」
「それを後で来た川相さんが整理していたら」 
 その時にというのだ。
「それで堀内がロッカーに来てな」
「お前がやったんだろうって怒ったの」
「いや、いきなり事情も聞かないで」
 鳴海はこれ以上はないまでに軽蔑と嫌悪を込めた顔になってかな恵に話した、堀内恒夫という輩の行動を。
「後ろから飛び蹴りだよ」
「いきなり?」
「それで何発も殴ったんだよ」
「完全な暴力よね」
「訳も聞かないでな」
「最低ね」
 かな恵も聞いて鳴海と同じ顔になった。
「そんなのって」
「川相さんがロッカー荒す人か」
「違うわね」
「そんなのずっとチームにいたらな」
「わかるわね」
「それで聞かないでな」
 それでというのだ。
「これがな」
「いきなり暴力ね」
「しかも後ろからな」
「つくづぐ最低な人ね」
「だから父ちゃんもな」
「あの人嫌いなのね」
「いつも言ってるよ」
 まさにというのだ。
「堀内みたいになるなってな」
「龍馬さんみたいになれね」
「何で堀内が嫌われてるか」
「そんな人だからって言って」
「小さくてな」
 人としての器がというのだ。
「だからかえって尊大で態度も悪くて」
「暴力も振るうのね」
「本当にな」  
 それこそというのだ。
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