第七百八十二話 トム達と海賊その九
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「軍人さんと海賊って違うね」
「雰囲気がね」
「うん、今の軍人さんと宇宙海賊見ても」
「軍人さんはぴしっとしてるよ」
スターリングははっきりと言った。
「僕のお祖父ちゃんもね」
「私のお祖父ちゃんもね」
蝉玉も言った、蝉玉の祖父は連合中央政府軍参謀総長でスターリングの祖父は連合中央政府軍宇宙寒帯司令長官であり階級は共に元帥である。
「そうなのよね」
「背筋ぴしっとしてるよね」
「動きも違うのよね」
「独特の動きがあるよね」
「訓練を受けてるからよね」
「海賊って背筋が違うね」
トムは彼等の話をした。
「動きもね」
「やさぐれた感じで」
「訓練はしていないのよね」
「軍人さんはいつも訓練を受けているから」
それで身体に滲み付いているからだというのだ。
「本当にね」
「身体の動きが違っていて」
「姿勢もなのよね」
「それでね」
「雰囲気だって違うわ」
「そうなんだよね、それで僕達学生が海賊になっても」
その服を着てというのだ。
「やっぱりね」
「違うわね」
ペリーヌがまた言ってきた。
「アウトローの世界にいないから」
「そうだよね」
「不良でもね」
そう言われている者達でもというのだ。
「やっぱりね」
「違うね」
「本物じゃないから」
それ故にというのだ。
「アウトローとはね」
「また違うね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「そこはね」
「違うものだね」
「どうしてもね」
実際にというのだ。
「海の中にいて切った張ったで」
「明日の命も知れない」
「襲えるなら船も街もね」
「襲う」
「そうした世界に生きていないと」
そうでなければというのだ。
「ちょっとね」
「本物になれないね」
「そうよ、これが軍人さんでもね」
「軍服を着ても」
「訓練を受けていないから」
だからだというのだ。
「動きもね」
「違うね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「ただ軍服を着ているだけの」
「言うならコスプレだね」
「ええ、けれどね」
「けれど?」
「悪くないわよね」
笑顔になってだ、ペリーヌは三人に言った。
「こうして海賊になっても」
「うん、そうなってもね」
「いいよ」
「面白いわ」
「自分がいいって思えたら」
それならというのだ。
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