第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその五十
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「皇帝となります」
「サハラのだな」
「スルタン=カリフとなります」
「カリフの復活か」
「二十世紀のオスマン朝滅亡以降いなくなっていましたが」
オスマン朝の皇帝即ちスルタン=カリフがいなくなりだ。
「それがです」
「復活するのだな」
「そしてアッバース朝より分裂していたイスラム世界をです」
「統一するか」
「厳密に言えば連合やマウリアにもムスリムの人は多いので」
「イスラムの統一とは言えないな」
「ですが」
それでもとだ、八条はさらに話した。
「アラブの後継であるサハラについて考えますと」
「まさに統一だな」
「サハラの」
そうなるというのだ。
「それを成し遂げます」
「アッディーン大統領の統一か」
「そうなります、まさかです」
ここで八条はこうも言った。
「サハラが統一されるとは」
「君も思わなかったか」
「私が今の役職に就くまでは」
中央政府国防長官にというのだ。
「全くです」
「やはりそうか。私もだ」
キロモト自身もというのだ。
「サハラが統一されるなぞな」
「思われませんでしたね」
「とてもだ」
それこそというのだ。
「想像もしなかった」
「これからも戦乱が続くとですね」
「考えていた」
実際にというのだ。
「何時統一されるかなぞ」
「とてもですね」
「考えることもなかった」
そうだったというのだ。
「統一しないだろうとさえだ」
「思われていましたか」
「その兆しは見えなかったしな」
「そうですね、アッディーン大統領とシャイターン主席が出て来られるまで」
「とてもな、だからな」
それ故にというのだ。
「私はな」
「サハラは統一されず」
「戦乱はそのままだ」
「続いていく」
「そうなるとばかり思っていた」
「それがですね」
「まさかな」
キロモトはこの言葉通りの顔になって述べた。
「ここでな」
「統一されるとはですね」
「思わなかった、そして統一されるとか」
「サハラがどう動くか」
「そのことが重要だな」
「サハラへの備えはしておきますが」
このことは怠らないがというのだ。
「しかしです」
「それでもだな」
「あの国は戦争よりもです」
それよりもというのだ。
「国造り、創業のそれにです」
「かかるか」
「創業の時点で足場を固める」
「そうしないとだな」
「折角果たした統一も」
「綻ぶな」
「統一も極めて困難です」
千年の間様々な国と勢力によって分かれ戦乱が絶えなかったサハラだ、それは確かに困難なことである。
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