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夢幻水滸伝
第三百七十六話 九尾の黒猫と共にその三

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「星の方でしょうか」
「そやで」
 兵士に笑顔で答えた。
「それでちょっと市長さんに今後のことお話したいけど」
「すぐに連絡します」
「そうします」
 門番の兵は二人いてもう一人のオーガの兵士も応えた。
「これより」
「よろしゅうな」
 こうしたやり取りの後でだった。
 ニキータは市長の前に通された、そうして甲殻人、青いザリガニの初老の男の彼と会った。市長の服は半袖のシャツにスラックスにネクタイというものだ。
 市長はニキータに挨拶をするとだ、彼女に尋ねた。
「それでどういったご用件で」
「実はこっちの世界に来たばかりで」
 ニキータは市長にも明るい調子で話した。
「お家もお仕事もないねん」
「そうなのですか」
「それでどっちも紹介して欲しくて来たんやけど」
「あの、それでしたら」
 市長は執務室のソファーに向かい合って座っている彼女に言った。
「もうです」
「もう?」
「はい、旗揚げをされて」
 そうしてというのだ。
「勢力の棟梁となられては」
「あっ、そうしてやね」
 ニキータは市長の言葉を受けて言った。
「このボゴタを拠点として」
「はい、勢力を拡大されて」
「勢力を平和で豊かに治めるんやね」
「今コロンビアはそれぞれの街や村に分かれています」
「そうして互いに争うこともあるんやね」
「そして賊やモンスターもいて」
 彼等のことも話した。
「何かとです」
「物騒やね」
「そうです、街や村単位では」
「賊やモンスターへの対処も限られるし」
「何かと不穏です」
 今のコロンビアはというのだ。
「星の方のお仕事は世界を救われることで」
「それならやね」
「まずはです」
「コロンビアやね」
「この国を救って頂きたいです」
「そういうことやね」
「お願い出来るでしょうか」
「そやね」
 ニキータはまさにという顔で頷いて言った。
「お家とお仕事と思ってたけど」
「それならですね」
「そうしたお仕事やとな」
「いいですね」
「ほんまに。ほな今から旗揚げするわ」
 勢力をというのだ。
「そうするわ」
「そうして頂けますか」
「そしてコロンビアの統一を目指すわ」
 そうするというのだ。
「これからな」
「そうしてくれますね」
「そうさせてもらうわ」
「そういうことで。あとお家ですが」
「あっ、そっちはどうしよ」
 今度は家の話だったがニキータは言われて思い出した。
「どっかないやろか」
「私の別邸がありますが」
「そうなん」
「今は誰も住んでいないので」
「このボゴタにあるんやね」
「そうです、如何でしょうか」
「そこに住んでええんやね」
 ニキータは市長に確認を取った。
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